フェンシング見延和靖、座右の銘とする恩師の言葉 子供達にも伝えたい目標への逆算術
「やるぞ」だけではできない、目標と現在地との距離の縮め方
前人未到の道を切り拓く姿は、フェンシングに親しむ子どもたちにとって憧れであると同時に、フェンシング未経験の子どもたちの目にも輝く存在として映っているようだ。東京五輪の後、フェンシングをやってみたいという子ども、その中でもエペをやってみたいという子どもが増えたという。
見延に憧れる子どもたちが、フェンシングであれ、他のスポーツであれ、勉強であれ、見延のように「限界を自分で作らない」で取り組みためには、どうしたらいいのだろうか。金メダリストはこんなアドバイスをくれた。
「スポーツでも勉強でもやることは一緒だと思います。テストの点数であったり、行きたい学校であったり、大会で目指す順位や記録であったり、目標をしっかり立てて、自分が今いる位置からどうやったら到達できるのか、何をしなければいけないのか、逆算してみることが大事。ただ集中して『やるぞ』というだけではできないと思います。その取り組みがスポーツでも勉強でも、いい結果をもたらしてくれると思います」
「史上最強のフェンサーになる」という目標に向け、クリアしておきたかったという世界選手権でのメダル獲得は個人でも団体でも成し遂げた。次にクリアしておきたいこと、それは五輪で個人としてメダルを手に入れることだ。
「団体で金メダルは獲りましたけど、個人でも獲りたいという想いはありますし、そこは必要なステップかなと思います」
目標に大きく一歩近づくためにも、2024年のパリ五輪では団体連覇と並び、個人でのメダルも狙っていく。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)