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「30代の活躍が当たり前の時代が来る」 新世代に抗う女子ゴルフ34歳菊地絵理香の努力

「若手には私がかじりついている姿を見てもらいたい」

 技術の追求も怠らず、今季開幕戦はクラブを立てるアップライトなバックスイングに改造して臨み、1か月後には再びフラットを心掛けた。試行錯誤についても、菊地には「必要なこと」だった。

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「(スイングに)『これでいいかな』というのはないと思います。若手も細かいことに取り組んでいますし、『現状維持のままでいい』では押し出されてしまう。なので、失敗を怖がらずに挑戦することが大事なのかなと」

 だが、菊地は強い若手たちに「対抗心」を燃やしているわけではなかった。

「『負けたくない』という思いより、自分が『まだ頑張りたい』という気持ちです。今の若手には、私がかじりついている姿を見てもらいたいです。結果が出てない若手に可能性があることを示していくことも、役目かなと感じているので。そうすれば、若手も『意外とやれるんだ』『まだやりたい』という気持ちが出てくると思います」

 実は、菊地自身も「30歳で辞めよう」と思っていたという。しかし、成績は勝利数も含めて伸びている。年上の藤田、上田も進化を続けている。ツアーでは、優勝経験者が25歳前後でシード権を失う例もあるが、菊地は確信を持っていた。

「そうのうち、30代でも活躍できることが『当たり前』の時代が来ます」

 そんな菊地を慕う若手は数多くいる。彼女たちは、既に菊地の「執念と覚悟」を共有し、将来を見据え、整体を取り入れた選手もいる。この5年で、ツアーの様相をガラリと変えた1998年度生まれの黄金世代から年下の選手たち。菊地は彼女たちの10年後もイメージしながら、自身の精進を続けていく。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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