11年ぶりV藤田さいき支えた所属先社長 「勝ってほしい」のに生中継を見なかった理由
優勝直後に藤田から電話、南野さん「とても清々しい声でした」
ラウンド中も、見つかった課題を集中的に練習。今年2月、40ヤードのバンカーショットに納得いかなかった際には、ラウンドを中断し、その場で3時間半練習を続けた。日が暮れ、最後は南野さんが持つスマートホンの灯だけが頼りだった。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「旦那さんが、『入るまでやろう』と提案し、暗闇の中で『カラン』と音がして、練習が終わりました」
すさまじい努力を重ねる中、藤田は食事の席で「どうしても、勝ちたいんです」と言い、時に涙を流した。その思いを知るだけに、南野さんは「勝たせたい」「勝ってほしい」の一心で験を担いでいた。
優勝決定後、祝福の電話、メッセージは南野さんにも相次いだ。それらに対応する中で、藤田からも電話が入った。
「勝てました! 良かったです」
南野さんいわく、「とても清々しい声でした」。藤田の苦悩と苦労を見てきただけに、嬉しいトーンだった。もう、験は担がなくていい。藤田の7勝目は、しっかりと見届けるつもりだ。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)