藤田さいき、涙ながらに感謝した夫の献身11年 包丁も持たせず、遂に果たしたV記念撮影
女子ゴルフの国内ツアー・大王製紙エリエールレディスは20日、愛媛・エリエールGC松山(6575ヤード、パー71)で最終日が行われ、1打差の2位で出た36歳の藤田さいき(チェリーゴルフ)が4バーディー、ボギーなしの67の通算21アンダーで優勝した。2017、19年賞金女王の28歳・鈴木愛(セールスフォース)を逆転し、11年35日ぶりのツアー通算6勝目。1988年のツアー制施行後では、史上2番目のブランク優勝となった。会見では、長く側で支えてくれた1歳上の夫・和晃さんへの感謝を涙ながらに語った。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田通斉)
大王製紙エリエールレディス最終日
女子ゴルフの国内ツアー・大王製紙エリエールレディスは20日、愛媛・エリエールGC松山(6575ヤード、パー71)で最終日が行われ、1打差の2位で出た36歳の藤田さいき(チェリーゴルフ)が4バーディー、ボギーなしの67の通算21アンダーで優勝した。2017、19年賞金女王の28歳・鈴木愛(セールスフォース)を逆転し、11年35日ぶりのツアー通算6勝目。1988年のツアー制施行後では、史上2番目のブランク優勝となった。会見では、長く側で支えてくれた1歳上の夫・和晃さんへの感謝を涙ながらに語った。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田通斉)
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藤田は、優勝スピーチでも、会見でも夫へのあふれる感謝を口にした。会見では声を震わせながら言った。
「彼も多分、結婚してダメになったとか直接言われていて、大変な思いをしているのを見てきました。それでも、私ができる限りゴルフに集中できるように、2人で優勝目指して頑張ろうとずっと言っていたので……。ず~っと、前向きなことしか言わないですし、苦しくて辛くなった時でも『大丈夫』って、一番近いところで支えてくれた人なので……感謝の気持ちしかないですね」
和晃さんは元ゴルフメーカーの社員で、プロアマ戦で藤田と出会った。交際3年で2011年11月22日に結婚。藤田の誕生日で、「いい夫婦の日」。前回の優勝を飾った富士通レディースから約1か月後だった。藤田の籍に入り、藤田の父・健氏が経営する会社に転職。大病を患った藤田の両親に代わり、ツアーに帯同してサポートを続けてきた。
7年前からは、トレーナーの役割も果たしていた。健氏の主治医、北海道大病院の嶋村剛教授が、埼玉西武ライオンズの元トレーナー黒岩祐次氏を藤田に紹介。健氏は「この出会いで、娘の体は若返りました」と話している。ただ、日々のケアは和晃さんが担当。黒岩氏から教わったマッサージを藤田に施すことを日課にしている。
移動の運転はもちろんのこと、藤田が食べる料理も和晃さんが作っている。理由は「手を怪我する恐れのある包丁を持たせられない」からだという。
藤田のメンタル面も支えてきた。6月の宮里藍サントリーレディスは2位。優勝を逃し、18番グリーンで尻餅ちをついて悔しがった藤田に、和晃さんは「全英に行こう」と声をかけた。同大会の2位選手までに、全英女子オープンの出場権が与えられることから、新たな目標を持たせた。藤田にとっては、初めての海外メジャー大会。和晃さんにとっては、初めての海外渡航だった。