女子ゴルフの2位は「月曜から悔しさ増す」 優勝が近くて遠い藤田さいき、吉田優利らの渇望
優勝を逃した悔しさは「月曜日から増してくるんです」
今季、2位が5度の吉田は、「プロの価値は優勝でしか表せない」と公言している。9月の住友生命Vitalityレディス東海クラシックで、ルーキーの19歳・尾関彩美悠に1打届かず、大粒の涙を流した。そして、翌日は朝8時から辻村明志コーチのレッスンを受け、「ネガティブにならずに前を向いていこう」と話し合っている。前週も「まだ残りがある」とコメント。あきらめる気持ちは毛頭ない。
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昨季、シード落ちした永井は、10月のスタンレーレディスホンダに続き、TOTOジャパンクラシックでも2位に入った。いずれも最終日に追い上げ、大会を盛り上げた。17年10月の樋口久子 三菱電機レディスで初優勝。その際は、2日間の短縮競技だったことから「次は3日間、4日間のプレーで完全燃焼の優勝をします」と話していた。しかし、5年もブランクがあり、多くの年下選手が台頭してきたことで、「今は短縮でも何でもいいから優勝したいです」と話している。2週前からは、上半身に力が入って鋭角になりがちなダウンスイングを「シャロー(浅く)に」し、インパクトゾーンを長くする練習を重ねている。
ツアー未勝利の菅沼菜々は、今季30試合出場でトップ10入り15度、2位2度でMR8位につけている。最終ラウンド平均ストロークは69.4783で全体1位。優勝争いには何度も加わっているが、「1歩届かず」が続いている。スタンレーレディスホンダも2位。最終18番パー5で3メートルのバーディーパットを外し、「めっちゃ、悔しいです。今夜は眠れないです」と目を潤ませた。その後、スイングのトップで、シャフトがクロス(ボールと目標を結んだターゲットラインとシャフトが交差する)するクセを平行になるように修正。結果、左に引っかけのミスを抑えられているという。
その他、ルーキーでは小倉彩愛、櫻井心那、竹田麗央、佐藤心結、岩井明愛が2位を経験している。既に同期が優勝を経験しており、「次は私」と思いながらプレーしている。そして、ここに挙げた全員が「今季中の優勝」にこだわっている。今季は好調でも、来季はどうなるか分からない。それを知っているからだ。
ツアー通算6勝の天沼知恵子は「何度も経験していますが、優勝を逃した悔しさは、月曜日から増してくるんです」と言った。TOTOジャパンクラシック最終日、5位で終えた上田桃子は、生涯獲得賞金10億円突破を伝えられても、「通帳は見たことがないので」と興味を示さなかった。勝負師として、欲しいのは「優勝」の2文字。金田も会見で言った。「また、優勝するために練習をしてきました」。残る伊藤園レディス、大王製紙エリエール、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは、より熱き戦いになりそうだ。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)