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“天才少女”金田久美子も陥ったスランプ 感覚頼りだったトッププロが理論に向き合う時

女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス最終日(埼玉・武蔵丘GC)は30日、33歳・金田久美子(スタンレー電気)の11年189日ぶり、1988年のツアー施行後の最長ブランク優勝で幕を閉じた。深刻なスランプを乗り越えての2勝目だったが、会見では「感覚でゴルフをやっていたのに、感覚を失った時期もあった」と明かした。そして、さまざまなアドバイスを受けてきたという。世界ランキング日本勢最高位の畑岡奈紗(アビームコンサルティング)も、コーチのアドバイスで初めて知る「スイング理論」があったことも口にした。トッププロが「理論」に向き合うタイミングと理由について考察した。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

11年189日ぶりの勝利を挙げた金田久美子【写真:Getty Images】
11年189日ぶりの勝利を挙げた金田久美子【写真:Getty Images】

トッププロが「理論」に向き合うタイミングと理由を考察

 女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス最終日(埼玉・武蔵丘GC)は30日、33歳・金田久美子(スタンレー電気)の11年189日ぶり、1988年のツアー施行後の最長ブランク優勝で幕を閉じた。深刻なスランプを乗り越えての2勝目だったが、会見では「感覚でゴルフをやっていたのに、感覚を失った時期もあった」と明かした。そして、さまざまなアドバイスを受けてきたという。世界ランキング日本勢最高位の畑岡奈紗(アビームコンサルティング)も、コーチのアドバイスで初めて知る「スイング理論」があったことも口にした。トッププロが「理論」に向き合うタイミングと理由について考察した。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

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 金田が復活優勝を遂げた要因の1つは、徹底したハーフショットにあった。

「去年(8月)のCATレディースの週に左の足首を捻挫して、そこからフルショットができなくなったんですよ。そこからですね。腰痛もあるんですけど、ハーフショットにしてから割と感覚が良くて、それを継続している感じです」

 フルスイングしないことで飛距離は落ちたが、方向性が良くなった。いわゆる「ライン出し」ができるようになり、17番パー4ではピンまで残り160ヤードから、7番アイアンでピン下1メートルにつけた。優勝を争った2位の19歳・川崎春花に「トドメの一打になった」と言わしめたショットだった。

 かつて金田は「天才少女」と呼ばれていた。中1だった02年6月、リゾートトラストレディスに出場して12歳9か月で最年少予選通過記録を樹立した。中3だった04年7月のゴルフ5レディスでは、優勝争いを演じて3位に入った。

「本気で優勝できると思って、何打差あっても『まだ、分からない』と思ってやっていました」

 だが、プロに転向してからは壁に当たり、3年目で初優勝。「5、6年前」には引退も考える程の深刻なスランプに陥っていた。

「ドライバーはキャリー140ヤードのチーピンしか出ないし、アイアンもフェアウェーから大きなグリーンに乗せられず、50センチのパットも入りませんでした。メンタルの部分だと思うんですけど、原因は分からないです。なんか、いろんなものが重なって、全てが崩れた感じでした」

 復調までには、苦労が伴った。理由は「ゴルフのことを分かっていなかった」からだという。

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