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「未来の女子ラグビーのために」 7人制代表・大竹風美子が語る“日の丸を背負う”責任

「地方からミライを」の新プロジェクト発表会ではバドミントンの桃田賢斗(左から3人目)、スポーツクライミングの楢崎智亜(右から3人目)らと登壇した【写真:高橋学】
「地方からミライを」の新プロジェクト発表会ではバドミントンの桃田賢斗(左から3人目)、スポーツクライミングの楢崎智亜(右から3人目)らと登壇した【写真:高橋学】

世界トップ10に食い込める実力を備えていることを証明

 厳しい目で見れば、目標だった8強入りへの道を初戦で絶たれたのは厳しい現実と受け止めなければならない。だが、1回戦(ラウンド16)の勝敗でトップ8か、9位以下かが分かれてしまう大会方式、そして敗れた相手が東京五輪で銅メダルのフィジーという現実を踏まえれば、その黒星後に最後まで勝ち抜いたことは評価していいだろう。大竹が語るようにマインドの切り替えがしっかりとできていたから、痛恨の1敗の後は最後まで勝ち続け、過去最高位という結果を残すことができたはずだ。桜の蕾は、花開く時へと進んでいる。

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 世界の7人制ラグビーで、日本はどんな立ち位置にいるのか。女子は今年12月から始まる世界を転戦する国際サーキット「ワールドラグビー・セブンズシリーズ」で証明されることになるが、8月のチャレンジャーシリーズと9月のW杯での結果が、2年後のパリ五輪へ向けた現時点での実力の座標と考えていいだろう。

 部分参加した昨季のワールドラグビー・セブンズシリーズでの総合ポイントは17位。そして、チャレンジャーシリーズを勝ち抜き、来季のコアチーム“15枠”に食い込んだ結果から考えると、日本は10位台の前半というポジションを確保していた。そして今回のW杯9位という結果を踏まえると、トップ8には及ばなくても、十分トップ10に食い込める位置に入ってきていると評価していいだろう。

 そしてこの立ち位置から、世界のトップチームが毎大会、真剣勝負を繰り広げる国際サーキットで1シーズン鍛えられることになる。昨季のような不定期の招待出場ではなく、このステージで常に戦い続けることができる環境を、大竹は「(セブンズシリーズで)ベスト8以上をコンスタントに残さないと、次のパリは見えてこない。なので、このシリーズにコアチームとして参戦できることはすごくプラスですし、常に上位に食い込めるように強さ、精度に磨きをかけていきたい」と、日本代表のパリ五輪でのメダルチャレンジに向けては、何にも代え難い強化の場と位置づける。

 大竹自身は日本代表がコアチームとして参戦した2018年シーズンの同シリーズでプレーした経験を持つが、「当時はチーム最年少くらいで、自由にプレーさせてもらいました。そこでの経験が今にも生きています。今の若い選手もワールドシリーズに行くのと行かないのとでは、全然違うからと話してきました」と、ワールドシリーズにおける選手とチームの成長に大きな期待を抱いている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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