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スペイン育成年代にもある“毒親”問題 「サッカーパパ」がすべきでない5つの行動とは

スペインサッカーに精通し、数々のトップアスリートの生き様を描いてきたスポーツライターの小宮良之氏が、「育成論」をテーマにしたコラムを「THE ANSWER」に寄稿。世界で“差を生む”サッカー選手は、どんな指導環境や文化的背景から生まれてくるのか。今回のテーマは、万国共通とも言える子供の将来に期待する親の姿だ。スペインの育成年代でも、そうした光景は日常茶飯事のようで、子供のサッカーを応援する“パパ”には5つのタイプが見られるという。毒親にならないための条件とともに紹介する。

モウリーニョ監督の攻撃的な言動は数々の栄冠を手にした名将だからこそ。その姿を真似る父親はスペインで好ましく思われていないようだ【写真:Getty Images】
モウリーニョ監督の攻撃的な言動は数々の栄冠を手にした名将だからこそ。その姿を真似る父親はスペインで好ましく思われていないようだ【写真:Getty Images】

連載「世界で“差を生む”サッカー育成論」:子供の才能を信じ過ぎる父親の姿

 スペインサッカーに精通し、数々のトップアスリートの生き様を描いてきたスポーツライターの小宮良之氏が、「育成論」をテーマにしたコラムを「THE ANSWER」に寄稿。世界で“差を生む”サッカー選手は、どんな指導環境や文化的背景から生まれてくるのか。今回のテーマは、万国共通とも言える子供の将来に期待する親の姿だ。スペインの育成年代でも、そうした光景は日常茶飯事のようで、子供のサッカーを応援する“パパ”には5つのタイプが見られるという。毒親にならないための条件とともに紹介する。

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 子供に対する親の期待は、他人には計り知れない。

 少し昔の話、出版関係者のある男性が、「自分の息子はプロサッカー選手に必ずなれます。法則を見つけました!」と鼻息荒く捲し立てた。仕事に関しては冷静で、論理的に厳しく考えて決断ができる人物だが、息子の未来については熱く感情的で、やや甘かった。彼はとにかく自信満々で、自らも高校サッカーの名門校出身らしく“血統”も信じていたのか。サッカー界のコネも生かし、様々な情報を収集し、息子のためにできる限りの準備をしていたが……。

 苦笑いを浮かべるしかなかったのを覚えている。「そんな甘い世界ではない」と切り捨てるのは失礼だし、かといって、勇気づけるようなものでもない。実際は見たことがないわけだし、目の中に入れても痛くない存在なのだから、心証を悪くしたくもなかった。

 世界最高峰のスペインサッカー育成界でも、父親が息子の「才能を信じ過ぎる」のは問題になっている。

「なぜ我が子がレギュラーじゃないのか?」

 父親が指導者に詰め寄ると、母親以上に問題が複雑化する。説明が少しでも足りないと、「指導者に問題がある」と息巻き、他の親たちも取り込んで解任を叫ぶ。多くの場合、こうした行為はネガティブな結果しか生まない。子供が悪い立場になってしまい、チームに良くないムードが流れる。なんらかの変化が不可欠な場合もあるのだが……。

 では、どんな父親がサッカー少年にとってベストなのか?

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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