日本4強に導いた早田ひな ベンチにいた4年前、伊藤美誠に学んだ土壇場の「芯の強さ」【世界卓球】
日々の努力で磨かれた能力とは「細かくないと最後に中国には勝てない」
的確な状況判断力、初見の相手に対する情報収集力、そして土壇場の決断力。今大会、この力は他の選手にも生かされた。ベンチを温めることの多かった早田は、ゲーム間に積極的にアドバイス。世界卓球デビューした20歳の長崎は、早田について「卓球の戦術が凄く細かい。的確なアドバイスをくれますし、一番声を出して応援してくれる。何かあっても大丈夫だなって安心感があります」と感謝する。
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日々の努力の賜物だった。早田は手足が長く、166センチの長身だけに扱い方に苦労する体。練習では岡雄介トレーナーにフォームについて逐一質問する。「今のはどうだった?」「あの選手の体の使い方は?」。一本ごとに確認し、体のメカニズムを論理的に把握。そうやって深めた思考、理論が大舞台の本番中にも冴えわたるのだ。
「団体戦でも試合中に分析ができる。試合中にできれば、1ゲームの中で対応を変えることができます。1ゲームの中で変えられる人と、ゲーム間やタイムアウトでアドバイスをもらって変えられる人で差が出てきますよね。中国選手と対戦した時、やっぱり最後は自分で対応しなきゃいけない。
どこを分析するのか、人それぞれやり方は違うけど、自分が対応すべきことを試合中に感じられるように練習から意識して取り組んでいます。いつも自分の感覚は細かいです。でも、細かくないと最後に中国には勝てない。そこは自分に凄く厳しくやっていると思います」
7日の準決勝は世界ランク5位のドイツが相手だ。もう一つの準決勝は、5連覇を狙う女王・中国と同7位の台湾が激突。3大会連続銀メダルを獲得している日本が目指すのは、51年ぶりの金メダルしかない。
「私のポジション的に相手チームのエースと戦うことが多くなってくる。1-0、2-0で3番手に渡すのが最大の役割になる」
土壇場で自分を信じる。そのために毎日歯を食いしばって汗を流してきた。4年間で日本を引っ張る立場に成長した22歳。早田の胸には太く、強い芯がある。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)