伊藤美誠、実は「どん底」だった五輪金メダル後 「パリ五輪優勝」と言えなかった日々【世界卓球】
世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が30日に中国・成都で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4年ぶりの開催となる世界最強国決定戦。男女別に行われ、日本は男子4人、女子5人が代表に名を連ねた。「THE ANSWER」では開幕4日前から当日まで連載を実施。日本代表全選手の想いを伝え、大会を盛り上げる。
「世界卓球・日本代表連載」、開幕まであと4日―第1回は伊藤美誠
世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が30日に中国・成都で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4年ぶりの開催となる世界最強国決定戦。男女別に行われ、日本は男子4人、女子5人が代表に名を連ねた。「THE ANSWER」では開幕4日前から当日まで連載を実施。日本代表全選手の想いを伝え、大会を盛り上げる。
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26日の第1回は伊藤美誠(スターツ)が登場。東京五輪では金、銀、銅のメダル3つを獲得した女子のエースは、モチベーションの維持に苦悩してきた。3大会連続銀メダルから悲願の金メダルを狙う今大会。チームを「全勝」で引っ張る覚悟を見せた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、協力=テレビ東京)
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苦しみながら前を向いてきた。金メダルなら1971年大会以来51年ぶりの快挙となる日本女子。団体戦は3大会連続出場の伊藤が燃えている。
「自分が一番ハラハラドキドキさせてしまうかもしれないですけど、みんなでカバーしながら試合をしたいです。私自身の目標はやっぱり全勝で終えたい。そこでしっかり自信をつけて、またオリンピックを目指したいと思っています」
快挙の後、実は人知れずもがいていた。昨年の東京五輪はシングルスで銅、女子団体で銀、水谷隼と組んだ混合ダブルスで日本卓球界初の金。以降は11月の世界卓球個人戦にも出場した。早田ひなと組んだダブルスは準優勝だった一方、シングルスは準々決勝敗退。持ち前の負けん気の強さが影を潜め、どこか気持ちが入りきらずにいた。
「意識の問題ですが、(東京五輪以降は)大きな目標を立てていませんでした。練習でも世界選手権のために頑張ろうと思えたけど、頑張ることはできても長続きしない。小さい頃から大きな目標を立てることで、『この大会で優勝したい』と一つ一つの目の前のことに集中できる状態になれたと思います。
でも、目の前すぎて逆に努力できないというか、練習量も確実に減りました。練習をやっていないと自信が少なくなってくる。『これだけやった』とは言えないので、試合をしていても経験だけでやっている感じでした。もちろん負けは悔しいです。ただ、どうやってスイッチを入れるかわからなかった」