6度目プロテストから10か月後の初V争い 「絶望的」経験をはねのけた成澤祐美の感慨
大歓声に感動、「いい球打つね~」が聞こえてニヤニヤ
「こんなに大きな声援を受けたことは初めてだったので、感動で体が震えました。セカンドショットを打った後も『あの選手、いい球打つね~』の声が聞こえました。うれしくて、ニヤニヤしていました(笑)」
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
勝みなみ、吉田優利との最終組。2人には応援団、多くのファンがついていた。“無名”を自覚する成澤にとっては、地元北海道から駆け付けてくれた父と姉が心の安定剤。だが、自分にも声援が飛ぶことが分かった。テンションを上げ、6番パー5、7番パー4での連続バーディーにつなげた。
「この時点で首位に1打差ということも把握していました。自分のショットが、このレベルでも通用することが分かってきました」
だが、8番パー3の3パットから歯車が狂い始めた。10番パー4では、第2打がグリーン手前のバンカーに突き刺さって目玉状態に。第3打は出すだけで、1.5メートルのボギーパットも外れてダブルボギーとなった。首位から2打差に10人以上がひしめく状況で、大きく後退。残り8ホールでさらに3つのボギーをたたいた。
「ダボを境に1.5メートルのパットが入らなくなりました。原因はメンタルとストロークの両方だと思います。逆に、勝さんと吉田さんは、厳しいパーパットを何度も入れていました。ここが私との差だと感じました」
18ホールを終え、リーダーボードの上位に自分の名はなかった。それでも、充実感はあったという。
「悔しかったですけど、楽しかったです。ずっと、目指してきた場所だったので……」