公務員も考えた大学生が卒業半年でNPB注目に 人生が激変した23歳茶野篤政という原石
チームNo.1のマジメ気質な23歳の理想は楽天・辰己
自他ともに認めるチームNo.1のマジメ気質な23歳。
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中学時代に「ゴミと目が合ったら拾え」という指導者の教えを実践し、大学時代は試合があった学校のグラウンドでゴミ拾いに一人で没頭したら鞄に入り切らない量になった。その学生時代は「そういう道もありかな」と公務員試験の勉強をしたこともある。
話していると、高校球児のような溌剌とした受け答えが印象的だ。
徳島に来たから芽生えたNPBという夢。もし、縁があったのが社会人野球だったら? そう問うと「目指すものは違っていたと思います」と茶野。アスリートに限らず、置かれた場所と環境に感化され、才能を伸ばす人がいる。彼はまさにそのタイプだろう。
「徳島に来て、開幕戦もスタメンじゃなかったし、試合に出られない時もありました。前期の序盤は調子も全然上がらなかったけど、ドラフト指名してもらう目標をずっと持っていたので。そう考えたら腐ったり、落ち込んだりする暇なんてないと思いました。
大学時代はNPBを全く考えていなかった自分が、選手、球団職員の方を含め、全員がNPBを目指し、それを後押ししてくれる環境がなかったら、きっとNPBを目指すことはなかったと思います。今はインディゴソックスに来て、本当に良かったと思っています」
理想は楽天の外野手・辰己涼介のように「足が速くて、アベレージも残せるけど、長打がある、打って走れる打者」。残り2か月、本人は「もっともっとレベルアップしないとNPBは厳しい。1日1日、常にレベルアップできるように高い意識を持ってやっていく」と言う。
自らも予想できない今を生きるなら、自らも予想できない未来だって描ける。今はまだ徳島に眠っている原石、茶野篤政はそんな可能性を秘めている。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)