健康管理に“絶対的な答え”なし メッシの例に見るアスリートの食生活との向き合い方
選手に合うやり方はそれぞれ異なる
例えば一時期、Jリーグのプロクラブでもファスティングが流行っていた。ファスティングは、いわゆる断食で、ダイエットなどにも活用されている。アスリートは食べる量も多く、それをエネルギーに変換しないといけないので、その生活を続けると、どうしても胃腸がへばる。そこでファスティングを取り入れ、胃腸に休みを与えて内臓全体を活性化させ、エネルギー効率を上げるやり方だ。
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これに適応した選手はいた。一方で、食べないことによってパワーダウンし、プレーに支障をきたした選手もいたという。今や情報にあふれているし、様々なメソッドもある。しかし、すべてが体に合うわけではない。
例えば遺伝子検査で、自分に合う食品、会わない食品を判定してもらうやり方がある。冗談のような話だが、それを元に食事をとることになったある選手が、「米以外は軒並み低い判定。乳製品は特にNG」で無視せざるを得なかったという。他の選手もアレルギー反応を参考にする程度で、「テレビの占いコーナー程度でしか、気にしていません」と打ち明けていた。
トップアスリートは、意外に偏食が多かったりする。プロサッカー選手時代を通じ、野菜や果物にほとんど手を伸ばさなかった、という例もある。おそらく、自らの意思に反して食べても、血肉になりにくいのだろう。
何が正しいか?
それを決めるのは結局のところ、自分個人であり、親でも、コーチでも、栄養士でもないのだ。
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)