監督3度交代のJ1神戸 楢﨑正剛が分析、36歳ベテランGKがポジションを託された背景
楢崎氏も認める36歳ベテランのGKとしてのポテンシャルとは
飯倉は横浜F・マリノスでプロキャリアをスタートさせ、2019シーズンの途中に神戸へ完全移籍。気がつけば36歳と、すっかりベテランの域に達した。
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若かりし日に何度も対戦経験のある楢﨑氏。飯倉のプレースタイルやGKとしてのポテンシャルを改めて解説した。
「年齢を重ねても印象があまり変わらない選手です。同時期に榎本哲也(現・横浜FMアシスタントGKコーチ)もいて、どちらもサイズはあまり大きくありませんでしたが、足がしっかり動いて守備範囲が広く、フットワークで守れるGKという印象でした。もしかしたら大先輩である川口能活さんの系譜かもしれません。
さらに左右両足でしっかりとボールを蹴れて、守備面でもアグレッシブなスタイルが特徴。現代型のタイプのGKだと思います。細かい技術も高く、第21節のジュビロ磐田戦ではタイミングを合わせにくいトゥキックを、スリッピーなピッチコンディションでもしっかりキャッチしていました。経験と実力を兼ね備えているからこそ苦しい状況でポジションを託されたのだと思います」
飯倉の活躍もあり、ようやく今季3勝目を手にした神戸。するとこの試合から3連勝を達成し、チーム状態は右肩上がりに。7月を終えていまだ降格圏内と苦しい状況に変わりはないが、一筋の光が差し込んだと言えるだろう。
所属選手の顔ぶれや前評判を考えると、不本意なシーズンを送っているかもしれない。神戸が終盤戦に反攻、そして逆襲するために重要な要素とは。
「監督交代というショック療法がチームに良い影響を与えるという事例は過去にもあったと思います。本当の戦いはこれからでしょう。コンスタントに勝ち点を積み上げていくために、守備の安定は欠かせません。飯倉選手のような存在がいるのはチームにとっても監督にとっても心強いはず。前線には日本代表クラスやビッグネームの選手もいますが、だからこそ彼が果たすべき役割は小さくないと思います」
円熟味を増した飯倉が、Jリーグ屈指のメガクラブを下支えしていく。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)