若手女子ゴルファーも陥る突然のスランプ 克服者が勧める「コーチとの付き合い方」
10年連続でシードを保持した北田、長く活躍するには
選手寿命を短くしないために、北田は「コーチとの付き合い方も大事」と指摘した。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「まずは、依存しないことです。コーチはアドバイスをくれますが、選手には自分にしかわからない感覚があるわけで、教えられたスイングや練習法が合うか合わないかもあるはずです。それをしないで受け入れてばかりいると、自分で考える力が衰えてしまい、ラウンド中の微調整もできなくなります。私が思う理想のコーチは押し付けるのではなく、選手と冷静に話し合いができる人。試合前の調整だけでなく、試合でのプレーを見てアドバイスをくれる人です。特に選手たちは『初日を見てほしい』と思っています」
北田はこれからプロを目指す子どもたち、支える親たちにもメッセージを送った。
「ツアーのレベルが上がり、選手たちはより高い身体能力が求められる時代になりました。その能力を有するにはDNAも左右しますが、子どもの頃にどのように過ごすかがカギを握ります。つまり、ゴルフ以外のスポーツも経験させてほしいということです。今、長く活躍できている選手たちには、陸上、水泳、バスケットボールなどの経験者が少なくありません。
私自身は水泳をしていたことで、背筋、腹筋が強くなり、スタミナもつきました。指は故障しましたが、その他の部分は大丈夫でした。もし、一方的な動きになるゴルフだけをしていたら、故障が多かったと思います。実際に今も、若くして、腰を痛めて選手寿命を縮めるケースがあります。せっかく高い能力があるのにもったいないですよね。そのことは大切に考えていただきたいです」
今季は国内ツアーだけでなく、古江彩佳が参戦1年目の米ツアーで勝利し、優秀なアマチュア選手が国内外で活躍。日本女子ゴルフ界は活況を呈している。ツアー通算6勝の北田は今後も、キャリアを生かした視点でたくましい後輩たちを見守り、分析していく。
■北田瑠衣/THE ANSWERスペシャリスト
1981年12月25日生まれ、福岡市出身。10歳でゴルフを始め、福岡・沖学園高時代にナショナルチーム入り。2002年プロテストで一発合格し、03年にプロデビュー。04年はニチレイカップワールドレディスでツアー初優勝し、年間3勝で賞金ランク3位。05年には宮里藍さんとペアを組んだ第1回女子W杯(南アフリカ)で初代女王に。06年から10年連続でシード権を保持した。男女ツアーで活躍する佐藤賢和キャディーと17年に結婚し、2児のママとして子育てに奮闘中。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)