闘莉王が日本代表に説く“弱者の戦術”「規律、謙虚さ、チームメートに対する信頼」
南アフリカ大会直前のミーティングで飛ばした猛ゲキ
大会直前にスイスのキャンプ地ザースフェーで行われた選手ミーティングで「俺たちは弱い。下手くそなりに闘わなければワールドカップでは勝てない!」と檄を飛ばし、堅守速攻で躍進したチームの揺るがぬコンセプトとなった。
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下馬評が低く、結果が出ていないという点で8年前と状況は近いが、必ずしも同じではないという。
「あの時はユウジさん(中澤佑二)と自分が後ろにいた。阿部(勇樹)もアンカーに入って、守備の堅さという拠り所はあったと思う。今は何をベースにすべきか。本当に難しい状況ですが、自分はまず守備だと思います。日本はまだ世界の舞台で相手を圧倒できるようなチームではない。失点したら試合には勝てない。グループステージは最大で勝ち点9。相手に勝ち点3を与えないチームマネジメントというものも、ワールドカップにはあると思います」
未だ4バックか3バックか定まらない緊急事態で、一刻も早く守備のベースを固めることが最優先事項と持論を展開した。
そして、グループステージ敗退に終わった14年ブラジル大会の過ちだけは繰り返さないように提言している。
「日本代表はブラジル大会の前も同じ失敗を犯しています。2006年ドイツ大会では、“自分たちのサッカー”をやろうとしました。自分たちがアクションを起こして、試合の主導権を握ろうとするサッカーです。しかし、日本は強豪国相手にいつでも何点も取れるチームではない。あの時のジーコ監督の中盤には、素晴らしい選手そろえていた。ただ、世界には上には上がいる。そういう結果になってしまった」
「2010年は自分たちのやりたいサッカーを我慢した。相手にサッカーをやらせないという方向に転換したことで、多少の結果は出せたと思う。14年にはまた“自分たちのサッカー”で、あんな残念な結果になってしまった。言葉は悪いかもしれないですけど、味方の尻を拭くぐらいの戦いをしなきゃいけない。それがワールドカップにおける、日本の戦い方だと思います」
「4年に1度の戦いです。サポーターが注目してくれるサッカー界にとって大事な舞台です。1回の失敗を教訓にしなければいけない。ブラジルで痛い目を見た。そこから勉強しないといけない」