絶望的な大怪我から7年 「引退も覚悟した」今季、36歳バスケ選手が悲願のB1に初挑戦
リハビリ室で叫んだ日々、残してくれたチームへの感謝
「でも、医者が『可能性はゼロではない。本気でやるなら一緒にやろう』と言ってくださったので」と復帰を目指した。まず手術。「膝蓋腱の損傷具合は膝を開けてみないと分からないので、3つくらいのプランがあったんです。下半身麻酔で結局8時間くらいかかったんですけど、開けた時にうわーっていう声が聞こえた」
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手術直後は痛みとの闘い。「尋常じゃない。麻酔が切れてからは、周りの人すみません、ってくらい叫び続けていた。ナースコールを何度もして、『とりあえず来てください!』『痛みなんとかなりませんか!』と頼んで、注射や薬をもらっても効かない。耐えるしかない。『痛ーい、痛ーい』って叫び続けて、2日ほどして多少は良くなった」
1か月ちょっとは自分の意思で左足が動かせないことへの不安が続いた。リハビリで理学療法士が少しずつ膝を曲げてくれる。
「関節を逆に曲げられているような感覚。『待って待って待って待ってー』って、毎日、リハビリ室で1人だけ叫んでいた」
夜、病院のベッドで泣いた。
「でも、しばらくしてからは、よしっ、やるぞって思えるようになった。昔からものすごくポジティブなので。この怪我から復帰に至るまでの道のりは、自分にしか経験できないと思った」
2016年2月に退院した。選手登録は外れたが、チームには残してもらえた。「ありがたかったですよね。本来であれば、復帰できるかどうか分からない選手って残さない。このチームだけなんじゃないかな」と感謝を語る。チームメートの練習を横目に、リハビリの日々。そんななか、同年9月にBリーグが華々しく幕を開けた。