打倒・仙台育英に何が必要か 「10-82」の屈辱から1年、石巻工ラグビー部に訪れた再会
72点差で敗れた悔しさ、「打倒・仙台育英」に向けて目標を数値化
イベントの開会にあたり、菊谷氏と天野が挨拶した。小中学生では野球に励み、高校からラグビーを始めた菊谷氏は「僕は入学した高校がたまたまラグビーが強かったので始め、日本代表になりました。可能性は誰にでもある。大切なのはラグビーとどれだけ真摯に向き合えるか。今年も目標設定からみんなと協力してやっていきたいと思います」とメッセージ。天野は「去年の花園予選決勝で仙台育英に10-82で負けた悔しさを、2・3年生は持っていると思うし、僕も悔しかった。打倒・仙台育英を掲げて戦う姿を見て、周りが応援したいと思えるようなラグビーができるように、今日はいろいろ聞いて吸収してください」と呼びかけた。
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まず始めに取り組んだのは、チーム目標、FW目標、BK目標という3つの目標の設定だ。チーム目標は「打倒育英」で全員が一致。仙台育英に勝つためには、まず昨年決勝で生まれた72点差を埋めなくてはならない。72点差を埋めるために、FW・BKはそれぞれアタック時とディフェンス時に何をすればいいかを決めることにした。
菊谷氏の号令の下、FW・BKに分かれてディスカッションに臨んだが、発言する照れ臭さもあってか話し合いは進まない。そこで各学年から1人ずつ3人一組の小グループを作り、その話し合いの結果をまとめることにした。ここで菊谷氏から「目標を数値化するように」とのアドバイス。漠然とした目標よりも、具体的な数値に示した方が達成度を分かりやすく測れるからだ。
その結果、決まったのが次の目標だ。
○FW目標 アタック:セットプレーでのボール獲得率100% ディフェンス:スクラムで膝は地面から5センチ
○BK目標 アタック:ラックができてから3秒以内にセットし、アタックをする ディフェンス:タックルしてから3秒以内に戻り、ディフェンスの体勢を整える
チーム目標とFW目標は主将の阿部倫太郎くん、BK目標はBKリーダーの安海翔くんが書き込んでサイン。菊谷氏と天野もサインを書き込み、「目標の実現に向けて一生懸命取り組みます」との誓いを立てた。