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2023年W杯へ猛アピール 慈善試合で躍動、ラグビー日本代表“予備軍”で輝いた2人とは

リーグワン初代新人賞の根塚洸雅が見せた可能性

 そんな実績組とともに、新たな可能性も輝きを見せた。シニアレベルでは初めての代表候補入りしたリーグワン初代新人賞のWTB(ウイング)根塚洸雅(クボタ)は、期待されたトライこそなかったが、前半11分の左オープン攻撃からタッチライン際で2人を突破してのオフロードパス、同32分のCTBラファエレ・ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ)とのシザースパスによる防御突破など、チャンスメークでチームに貢献した。

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 守備でも、前半20分、24分と1対1で相手を前に出さない好タックルを連発。後半36分にはキックカウンターから守備網を突破してきた相手を、途中出場のFB(フルバック)メイン平(リコーブラックラムズ東京)と2人がかりのタックルで封じ込むなど、トンガ勢にも当たり負けしないコンタクトの強さを印象づけた。

 根塚自身も、「来週のウルグアイ戦へ向けて、今日の80分間は本当にいい経験になった。ボールをもらってのランニングやディフェンスは手応えとしては良かった。(パスを)ほしいタイミングだったり、ディフェンスでこうしてほしいという試合中の細かい話し合いは課題かなと思う」と自信を深める。

 新鋭WTBをフルタイムプレーさせた堀川HCは「代表側からの期待も高い選手なので今日は80分プレーさせたが、非常に良かった」と、日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHCと協議しながらの起用だったことを明かしている。

 FW(フォワード)でも、初代表に挑む原石が輝いた。根塚と同じく80分間ピッチに立ち続けたLO辻雄康(サントリー)だ。持ち味はフィジカルの強さ。身長190センチ、体重113キロは日本選手では大型だが、そのサイズをさらに上回る強さで、パワー自慢のトンガサムライ相手に渡り合った。

 開始4分にパスを受けると、国内屈指のパワーが武器の相手NO8ナエアタ・ルイ(ドコモ)のタックルを受けながら体を前へ押し込むように前進してラックを形成。前半36分には、相手防御の壁になるようにラックに入り、今度は突っ込んできたナエアタの重圧を受け止めて、サイドアタックからトライを奪ったHO堀越康介(サントリー)をガードした。ハイライトは後半16分。自陣ゴール前のPKから速攻を仕掛けた相手PRをホールドするようにして止めると、そのままボールをもぎ取るように奪って窮地を凌いだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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