「1プレーに覚悟があるか」 2季連続CS4強で涙、川崎HCが語る宇都宮との差とは
天皇杯連覇、レギュラーシーズン東地区2位と好成績を挙げつつも、悲願のチャンピオンシップ(CS)制覇には手が届かなかった川崎ブレイブサンダース。佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)は、就任3年目のシーズンをどう振り返り、どのように来季につなげようとしているのか。チームスタッフによる“棚卸し”が終わった絶好のタイミングで話を聞くことができた。(取材・文=青木 美帆)
川崎ブレイブサンダース・佐藤賢次HCインタビュー
天皇杯連覇、レギュラーシーズン東地区2位と好成績を挙げつつも、悲願のチャンピオンシップ(CS)制覇には手が届かなかった川崎ブレイブサンダース。佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)は、就任3年目のシーズンをどう振り返り、どのように来季につなげようとしているのか。チームスタッフによる“棚卸し”が終わった絶好のタイミングで話を聞くことができた。(取材・文=青木 美帆)
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――まずはレギュラーシーズンの総括をお聞かせください。
「『天皇杯優勝』『東地区優勝』『CS優勝』という目標と、『MOVE』というスローガンを掲げてシーズンに入りました。序盤はなかなか完成度が上がらず、自分自身もどういう采配がベストなのかを探りながらやっていたところもあります。中盤以降は、各地で試合が中止になったり、各クラブの試合数が全然違ったりするなかで、一度地区優勝を頭から離して『目の前のことに集中しましょう』ともなりました。そのなかで最後の最後……確かレギュラーシーズン残り7試合の時に、残り全部勝てば2位になれるということが分かり、一致団結して7連勝し、CSのホーム開催権を勝ち取ることができました。
一番良かったのは、大きな怪我人が出なかったことです。同じメンバーで同じものを目指しながら、毎週課題を共有して、クリアして……。今季は特にオフェンス面でいい数字を残せたんですけど、これには長期離脱者が出なかったことも大きく影響していると思います。僕がヘッドコーチになって3年目にして、ようやく開幕前に想定していたプログラムどおりにチームを作ってこられた手応えを感じました」
――怪我人に苦しむチームが多かったなか、それを回避できたことはとても素晴らしいことだと思います。具体的にどのような取り組みをされたのでしょうか?
「以前からウェアラブルデバイスを使用して、選手それぞれの運動量を計測しているのですが、今季からは練習だけでなく試合でもデータを取り始めました。運動量と運動強度が練習と試合でどれだけ違うかを把握し、それを参考にしながら練習メニューの強度を調整したり、計画的にコンディションを上げていったり、というような形で活用しています。もちろん、小さな怪我はたくさんありましたが、コンディショニングチームと細かくコミュニケーションを取り、プロセスを踏みながら復帰させられたと思います」