韓国4強に「不満募らせた」 トルシエと日韓W杯の悔恨、トルコ戦が“奇妙”だった理由
日本は良くやったと言えたのは「ずっと後になってから」
「試合は奇妙なものだった」と切り出したトルシエ氏は、悔しい敗戦についてこう言葉を紡いだ。
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「大会後には3位になったトルコが、このワールドカップで最高のチームの1つだったと誰もが分かるが、ベスト16の段階では強豪とは見られていなかった。さらにこの敗戦は、仙台(宮城スタジアム)で午後3時(15時30分キックオフ)に雨の中で行われた試合で喫したもので、これも良い気分ではなかった。ワールドカップの試合らしくなかったからだ。もしかしたらグループ2位で抜けて、神戸でブラジルと対戦していたほうが良かったかもしれない。そのほうがいい“死に様”だっただろう。私はベルギーがブラジルを相手に、良い試合をしたのを覚えている。このシナリオは、トルコに負けるよりは良かったでしょう。とにかく、トルコ戦のシナリオはイライラさせるものだった」
雨が降る宮城スタジアムで味わった、言葉で表せないような失意と虚しさ。グループリーグを2勝1分の首位で通過し、さらなる上位進出へ機運が高まっていたなかで、トルシエ監督は前線に西澤明訓と三都主アレサンドロをスタメン起用する策に出たが奏功せず。あまりにもあっけない終戦に、誰もが不完全燃焼な想いを募らせた。
そしてトルシエ氏の悔しさをさらに大きくしたのが、トルコ戦が終了した約3時間後に大田ワールドカップ競技場で始まった試合で、韓国が強豪イタリアを延長の末に2-1で破ったこと。韓国はその後、準々決勝でもスペインをPK戦の末に下し、最終的にアジア史上初の4位に輝いている。
「トルコ戦の後に我々は、韓国が勝ったのを見てより不満を募らせた。日本は(日韓W杯で)良くやったと言えたのは、ずっと後になってからだったね。私は大会の終わり方にとても不満があった。(グループリーグでの)私たちのパフォーマンスが、驚くべきものだったにもかかわらずだ。韓国は当時、すでに4大会連続でワールドカップに出場していた。彼らにはより経験があり、(イタリアとの)試合は午後8時(20:30キックオフ)からだった。分からないが、韓国に比べると、日本は少し経験不足だったかもしれない」