「NBA選手になるまでやめない」 豪州に再び渡ったバスケ馬場雄大がブレない理由
夢を達成できる、できないの差「NBA選手になるまで、やめない」
ところが、新型コロナウイルス感染症の流行によりシーズンは中断。馬場はプレーする場所を求め、2020年7月、渡豪。アメリカを離れ、NBLのメルボルン・ユナイテッドと契約する。
「僕は、人生で起こることすべてに意味がある、と考えています。起こることすべてはその人にとって必要であり、しかも正しいタイミングで起こる。コロナ禍でGリーグが中断されたことも、オーストラリアに行ったことも、僕のバスケ人生に必要だった。すべての出来事がNBAの選手になり、活躍するために必要な過程だと、ポジティブに受け止めています」
メルボルンでは30試合出場。NBL制覇に貢献し、チームのディフェンシブプレーヤーオブ・ザ・イヤーにも選ばれた。「海外リーグで結果を残す」。この経験が自分にとって、とてつもなく大きい、という。
「1年目のアメリカでは、正直、何もできなかった。でもメルボルンでは優勝までさせていただき、すごく自信になりました。
僕ら選手は技術、メンタルももちろん大切ですが、最終的にモノをいうのは経験値。試合での瞬間、瞬間の経験値が、勝敗を左右すると思っています。メルボルンで優勝を経験したことで、自分は海外リーグでもできる、と感じられた。その自信を得たことは、すごく大きい」
翌21-22シーズン、馬場はダラス・マーベリックスに戻り、シーズンをスタート。2年ぶりにGリーグに復帰したが、心持ちは1年目と、全く変わっていた。
「1年目は右も左もわからない状態で、一生懸命にプレーするだけでした。でも、2度目はここでいいパフォーマンスをしないなんてありえない、NBA選手になるためには、ここを踏み台にしていかないといけない、という気持ちに変わりました」
今の課題は「技術・メンタルの全てに亘るレベルアップ」。そこに於いて、自分にゴールはない、という。
「成長するためには、まず、いかにバスケットボールと向き合う時間を増やすのか? というのが一つ。1日2回練習する人もいれば、3回、4回練習する人もいる。時間は作るものですから、やれる時間は常に(バスケに)費やしたい、という気持ちです。
夢を達成できるかできないかの差は、いかになりたいものに向き合えるかだと思っています。
NBA選手になるまで、バスケの最高峰のリーグの選手になるまで、やめない。自分のなかで、その最終地点さえブレなければ、その過程で『(自分に)できるのか?』という疑問符がいくら生まれたとしても、人に何を言われようと、関係ありません。真正面から(バスケットに)ぶつかっていきたい」