伝説キプチョゲが東京マラソンを走った意味 強さと情熱を表現した「本物」の42.195km
キプチョゲが最後に伝えたかったこと、会見で自ら訴え「世界は本当に混乱している」
優勝会見、絶対王者が何度も口にしたのは「団結」の言葉だった。東京五輪以来のマラソン。個人競技ではなく、チームスポーツであることを強調した。
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「結束すれば人々に何か変化をもたらせる。団結すればいい。一つの目標に向かってまとまろうということを伝えられたのではないか。(東京五輪以降)ケニアに帰ってチームと話し合って目標を決めた。チームで努力しているから一人では決めないんだ。自分が強くなっていると感じているよ」
史上初の3連覇のかかる24年パリ五輪を見据える37歳。「走ることは私の人生だ。やめることはない。世界中、マラソンで慈善活動もできる。世界中を周ってみたい」。陸上愛も世界一。丁寧に質問に答え、予定時間を過ぎて会見が打ち切られた。しかし、世界最強ランナーはマイクを離さない。どうしても伝えたかったことがあった。
「皆さん、本当にありがとうございます。皆様の幸運を祈っている。団結して一つになって平和をもたらしましょう。スポーツしかない。スポーツにしかできないことがあるんです。世界は本当に混乱している。ウクライナで起きていることをみんなで打ち負かしましょう。団結して解決を見出しましょう。この世界には2つの人種しかいない。問題を起こす人たち、それと問題を解決する人たち。我々は解決する人たちになりましょう。ありがとうございました」
大きな拍手に包まれた会見場。ここにもまた、熱が生まれた。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)