伝説キプチョゲが東京マラソンを走った意味 強さと情熱を表現した「本物」の42.195km
胸を熱くさせられた日本人選手たち「年齢を重ねるたびに進化」「心も凄く広い」
熱はコース外にも届いた。日本陸連副会長でロードランニングコミッションリーダーの瀬古利彦氏は興奮を隠せない。
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「世界一の走りは迫力があってフォームも綺麗。先頭に立って『これは本物だな』と思いました。世界記録を出したレースも見たけど、25キロから独走。同じ展開に『世界記録を狙っているな』という印象でした。もう僕が語るのが恥ずかしいくらい凄すぎる。20年間も世界のトップ。金メダルを獲ると、モチベーションが切れてしまうこともあるが、彼はまだ世界記録を出すんだという気持ちがある。論評できない神のような存在。よくぞ地球上に彼のような存在が現れてくれたと思います」
そんなレジェンドが東京を走った意味がある。「STRONG」の言葉通り格の違いを見せつけ、走ることへの情熱を届けた。折り返した後、すれ違う日本のランナーたちはそろって胸を熱くさせられた。
「全く別のレベル。日本人と物が違うと肌で感じることができた。年齢を重ねても進化し続けるように成長していきたい」(其田健也、7位、2時間7分23秒)
「走りを生で見たのは初めてですが、やっぱり格が違う。キプチョゲ選手を始めとした世界との差を埋めるためにも、日本陸上界が結果を残している中で自分が乗り遅れないように頑張りたい」(聞谷賢人、9位、2時間7分55秒)
「走りはもちろんですが、終わった後に写真を求めたら快く撮ってくださった。心も凄く広いなと。僕も強さと心の広さを持った選手になろうと思った」(土方英和、11位、2時間8分2秒)
「僕は彼とはトラック、マラソンでも何回か走らせてもらった。年齢を重ねるたびに進化している。強さがどんどん増している。(35歳の)僕も年齢が上の方ですが、年齢を重ねるに連れて進化していきたい。本当に尊敬している」(佐藤悠基、13位、2時間8分17秒)
「会見の言葉も印象に残っていて、長く続ける秘訣は『陸上を愛することだ』と仰っていた。僕もずっと長く続けていきたいので、キプチョゲ選手と同じくずっと好きでやっていきたい」(定方俊樹、18位、2時間8分33秒)