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伝説キプチョゲが東京マラソンを走った意味 強さと情熱を表現した「本物」の42.195km

東京マラソンは6日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、37歳の世界記録保持者エリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間2分40秒で初優勝を飾った。初参戦の東京マラソンで世界歴代4位、日本開催レースの歴代最速タイムをマーク。世界的スーパースターは日本の陸上ファンに情熱を届けた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

東京マラソンフィニッシュ直後のキプチョゲ【写真:代表撮影/ロイター/アフロ】
東京マラソンフィニッシュ直後のキプチョゲ【写真:代表撮影/ロイター/アフロ】

東京マラソン

 東京マラソンは6日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、37歳の世界記録保持者エリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間2分40秒で初優勝を飾った。初参戦の東京マラソンで世界歴代4位、日本開催レースの歴代最速タイムをマーク。世界的スーパースターは日本の陸上ファンに情熱を届けた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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「本物」はやっぱり違う。レース2日前の会見。隔離期間のため、リモートで参加したキプチョゲは、会場のスクリーンからでも特別な雰囲気を醸し出していた。

「私は競技に対して愛がある。世界中の若者が大好きだ。そういう思いが私を走り続けさせる。みんなにインスピレーションを与えるのが楽しいんだ」

 その情熱を解き放つ42.195キロだった。出だしから先頭集団を引っ張る展開。世界記録を上回るペースだった。先頭集団は10キロ付近でコースを間違えるハプニング。数メートル先からすぐに戻ったが、10秒ほどのタイムロスだった。だが、そんなことでは乱れない。コンパクトかつ躍動感のある悠々とした走り。25キロを過ぎ、ペースメーカーを振り切って前に出た。

 先頭集団はアモス・キプルト(ケニア)と2人だけ。36キロ過ぎからさらにギアを上げた。独走だ。「集団から飛び出たのは、良いタイムが出ると思って楽しくなったから。走ることへの愛情で『みんなを幸せにしたい』と思って飛び出したんだ」。2時間1分39秒の男子世界記録を持ち、16年リオ、21年東京と五輪連覇したレジェンド。東京マラソン初Vを飾り、マラソン戦績は16戦14勝に積み上げた。

「ランニングを通して日本のコミュニティーに希望とポジティブなエネルギーを届けたい」と宣言して来日。大会前、目標タイムを埋める6マスのボードには「STRONG」と記した。「多くの人たちにインスピレーションを与えることができた。STRONGなマラソンを走ると話したが、どういう意味だったか分かっていただけたんじゃないかな」。まさに有言実行。落ち着いた口調には最大限の説得力を含まれていた。

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