高橋大輔のような選手は「育てられない」 中2から指導、恩師が語る親子すら超えた絆
今の時代は4回転を「跳べて当たり前」
――その三宅選手、四大陸選手権出場は素晴らしい成果です。国際大会で、アイスダンスの高橋選手と同じ舞台に立つことになりました。
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「星南はジャンプを降りたら、次が続かなかったんですが。しつこく言い続けていたら、やっとできるようになってきました。四大陸選手権は行けたらいいとは思っていましたが、あのメンバーだとしんどいよね、とも話していたので、よくやってくれたと思います。今シーズン、参加したオーストリア杯の裏がワルシャワ杯で、『ワルシャワやったら大輔と一緒にできたのに』と星南に言ったら、『そんな、緊張して何もできません!』と言っていましたが、おかげで大輔と同じ大会に出られることになりました。それも縁ですね」
――高橋選手は他の選手がセーフティに4回転を回避する時代に挑戦し、多くのドラマを作りました。最後に、“たら・れば”ですが、もし高橋選手が今20歳だったら、いかがでしょう?
「大輔は自然に跳べていると思います。当時、4回転は特別だと思っていたんですよ。人がやろうとしないことをするのが難しかった。誤解を恐れずに言えば、後からやっていく子はその点で難しさはないですよ。できるもんだ、と思ってやれるので。今は跳べて当たり前、何種類も跳べています。大輔の前にも4回転に挑戦していた選手はいて(日本人では本田武史氏が大会で初めて成功)、最初にやるっていうのが難しい。大輔がトウループに挑戦して上手くいかなかった時、フリップをやらせていましたけど、当時はトウループをすごく難しいと思っていましたから。私も含め、認識がまるで違いますね」
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)