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“ミライモンスター”から五輪出場へ 24歳女子ジャンパーを刺激した高梨沙羅の言葉

真剣に五輪を目指すため、今年の3月で退社して競技に専念することを決心した
真剣に五輪を目指すため、今年の3月で退社して競技に専念することを決心した

全国高校総体2連覇、国際大会出場も…右膝手術

 北海道では同学年での女子競技者は渡邉だけだったが、1学年上の高梨、小林陵侑らと飛び続け、中2で全国中学生スキー大会に出場。45~50メートルのミディアムヒルで競技力を高めていたが、中3の全国中学生スキー大会で転倒。右膝前十字靭帯断裂の大けがを負うも、1か月の入院と6か月のリハビリを経て高1の秋に復帰。高2から海外遠征を経験し、高3のシーズンではシニア大会初優勝を飾り、全国高校総体2連覇も果たした。

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 W杯札幌大会、蔵王大会にも出場。世界ジュニア選手権ルーマニア大会では個人20位となり、東海大北海道1年で出場した同選手権米国大会では、男女混合団体で銅メダルを獲得した。だが、その前から再び右膝が痛み始めた。

「高校時代は調子が良くて、3年の時にはフジテレビの『ミライ☆モンスター』で特集してもらいました。沙羅さんにも『これからどんどん出て来る選手』とコメントしていただき、本当にありがたかったです。ただ、大学に入った頃から右膝が痛み始めました。中3で受けた手術が良くなかったみたいで、検査を受けたところ、『このままでは5年後には歩けなくなる』と言われ、再手術を受けました。リハビリには約1年、かかりました」

 その後、競技に復帰。しかし、大学卒業後に受け入れてくれる実業団は、五輪出場レベルの選手のみで、渡邉は一般企業で働きながら競技を続ける意志を固めた。そして、18年にプロ野球・日本ハムによる次世代スポーツ人材育成型クラウドファンディング「FIGHTERS CROWDFUNDING~Be Ambitious」の第1号選手だったことで、球団イベントで知り合った東部ダイハツ(本社・北海道川上郡標茶町)の社長に連絡。父親と熱意を伝えて、卒業1か月前の20年2月に採用内定を手にした。

「入社してからは、車の販売営業をしながら競技を続けました。ヒールを履いたまま、車を磨くこともあります。ただ、真剣に五輪を目指すには年間を通して練習量を増やさないといけないことを実感し、今年の3月で退社して競技に専念することになりました。そのためには資金が必要なので自分で資料やYouTube動画を作り、スポンサー集めに動いています。少なくとも年間で1000万円の活動費が必要なのですが、まだまだこれからです」

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