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今なおフィギュア界で燻る誹謗中傷問題 「病気を使った売名」と罵られた鈴木明子の願い

「連盟やコーチ・保護者の教育も求められる時代になった」と話す鈴木明子さん【写真:松橋晶子】
「連盟やコーチ・保護者の教育も求められる時代になった」と話す鈴木明子さん【写真:松橋晶子】

SNSの発達、選手を支える“大人”の教育が必要な時代に

 しかし、今と時代は違います。大きいのは、SNSが一般生活に浸透してきたこと。

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 例えば、全日本選手権の代表選考発表後はひどい言葉が飛び交っていました。安藤美姫さんもツイッターで(警告の)発言をされていましたが、絶対に選手の目にも触れてしまっていると感じました。これは、誰も得をしないこと。

 また、今大会の女子シングルはロシア勢が強いと言われ、大会前から「どうせ、ロシアには敵わない」「どうしてメダル獲れないんだ」という声を目にしました。それぞれの実力やレベルは選手自身が一番分かっている。

「なんで、日本人は4回転を跳べないんだ?」と言われても、そう簡単に跳べるものじゃない。スポーツはやってみなければ分からない。にもかかわらず、はなから勝負にならないというような言葉を見ると、すごく悲しくなりました。

 アスリートにも周囲の声を気にしない人もいれば、たった一言が心に深く刺さる人もいます。普段からフィギュアを応援してくださっている皆さんも「あの選手にこの演技は似合わない」「あの点数はどうなのか」など、気軽に発した言葉に傷つくかもしれません。

 そうしたことを改めて知ってもらいたいと同時にフィギュア界として必要になるのは、まず選手自身が不必要な情報は「入れない」「見ない」を心掛けること。そして、特に10代の選手に対しては連盟やコーチ・保護者の教育も求められる時代になったと思います。

 親ですら、子供がスマホで何をしているか分からないことがある。SNSは便利である反面、本当の良さも怖さも知らないまま触れてしまう怖さもある。大人がそうしたリスクをしっかりと伝えてあげることが必要です。

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鈴木 明子

THE ANSWERスペシャリスト プロフィギュアスケーター

1985年3月28日生まれ。愛知県出身。6歳からスケートを始め、00年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い、03-04年シーズンは休養。翌シーズンに復帰後は09年全日本選手権2位となり、24歳で初の表彰台。10年バンクーバー五輪8位入賞。以降、12年世界選手権3位、13年全日本選手権優勝などの実績を残し、14年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で現役引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、全国で講演活動も行う。

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