日本フィギュア界が抱えるリンク減少問題 競技人生で4つ本拠地を失った鈴木明子の提言
生涯スポーツとしてフィギュアスケートがブームに
日本のリンクでは一般利用の客足が落ちる中、「大人のスケート教室」に流行りの兆しがあり、人数が増えています。テレビで見ていたフィギュアスケートのファンの方たちが「自分も滑ってみたい、滑るなら週に1回でも」と。本当に、皆さん一生懸命にやられています。
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大人からすれば趣味のひとつかもしれませんが、子供たちと根っこは同じ。大人になって“できないことが、できるようになる”という喜びはもちろん、体の軸をしっかりさせるためにもうちょっと陸でトレーニングしてみようかなと思うようになれば、健康の観点からも良いこと。スケートは子供が小さいうちに習うものという感覚から、生涯スポーツとしての習い事のスケートがもっとブームになってほしい。
大人たちがスケートを楽しむにしても、実際に試合に出るとなると、現実的ではありません。でも、前述のデトロイトでは地域の方を集めた発表会の場があり、趣味からさらにモチベーションも上がっていく。こうした試みも、日本が参考になるひとつかもしれません。
今大会も94年ぶりとなる五輪3連覇を目指した羽生結弦選手などが注目され、大いに盛り上がりました。しかし、このブームを一過性のもので終わらせないためには今、未来について考えることであり、そのひとつに「スケートリンク減少問題」は存在しています。
まずは、こうした問題があることを多くの方に知ってもらうこと。それが、フィギュア界にとって大切な第一歩だと思います。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)