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ネット高校の「N高東京」がフィギュア選手を応援する理由 紀平梨花らが1万7000人の光に

アスリートクラス冬季特別プログラムの様子、トレーニング法など実践的な指導も行う【写真:N高等学校提供】
アスリートクラス冬季特別プログラムの様子、トレーニング法など実践的な指導も行う【写真:N高等学校提供】

N高として描くスポーツ支援の未来「光っていく過程を応援したい」

 紀平は北京五輪代表の有力候補だったが、右足首の故障により選考会となる全日本選手権を欠場。N高出身初の五輪出場を逃した。しかし、かつて自主トレで沖縄に滞在し、本校を訪問してくれた際に素朴な人柄に触れた奥平校長は「我々としては大会で優勝してほしいというより、なによりも健康で自分の力を出してくれること。その上で、続けられる限りは挑戦してもらいたいだけ」と未来に向けてエールを送る。

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 では、N高として描く未来とはどんなものか。

「本当のトップアスリートになれば、それなりに選手として完成していく。私たちが応援するのは、今からそこに向かっていく生徒たち。まだスポンサーがついていない、トレーナーの指導を受けられない高校生世代の選手はたくさんいる。そうやって、これから光っていく過程を応援したい」

 そして、もう一つあるのはセカンドキャリア。

「アスリートとしてやり切った後のことを考えてあげないといけません。うちに来る生徒は単に競技だけではなく、将来もしっかりと考えている。だから、進学しておこうとやってくる。テクニックなど目の前の競技だけでなく、人生の裾野を広げてあげられるように応援していきたい」

 銀盤で輝く選手を陰で支え、未来を明るく照らす。「N高東京」もフィギュア界の大切な“ささえびと”だ。

【私がフィギュアスケートを愛する理由】

「イナバウアーで有名になった荒川静香さん(トリノ五輪金メダリスト)の頃からフィギュアスケートは見ていました。一つの演技で体力を使い果たすと聞いたことがあります。綺麗に美しく見えるけれども、物凄いパワーが必要。競技によっては試合中に苦しさを見せることがある。でも、フィギュアスケートの選手の皆さんは演技中、苦しさなんて全く見せない。これは本当に凄いと思って、魅了されています」(N高等学校・奥平博一校長)

■学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校

 沖縄・うるま市伊計島に本校がある私立通信制高校。2016年に開設し、生徒数はS高等学校とあわせて20,603人(2021年9月現在)。全国に19のキャンパスを持つ。1800人以上の部員がいるeスポーツと美術部のほか、起業部、投資部、政治部などユニークな部活もある。通学コースには特進クラスもあり、2020年度は東大合格4人(うち現役3人)。東京パラリンピック閉会式でオープニングの映像・音楽制作を担当し、パフォーマンスに参加したSASUKEさんのほか、eスポーツ選手、棋士、アイドルなど多彩な在校生・出身者がいる。スポーツ界ではフィギュアスケート・川畑和愛、紀平梨花、テニス・望月慎太郎ら。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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