[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

極寒の「手作りリンク」から五輪へ 新濱&森重を育てた“酪農王国”にある少年団の情熱

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載する。

少年団を訪れ後輩たちを激励した新濱立也(最後列の左から5人目)と森重航(最後列の右から5人目)【写真提供:小村茂】
少年団を訪れ後輩たちを激励した新濱立也(最後列の左から5人目)と森重航(最後列の右から5人目)【写真提供:小村茂】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#57 別海町の恩師が語る2人の少年時代

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載する。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 直近の五輪2大会でメダルなしに終わっているスピードスケート男子で、注目を集める2人がいる。ともに12日に行われる500メートルと、18日に行われる1000メートルの2種目の代表に選ばれた新濱立也(高崎健大職員)と森重航(専修大学)。500メートルの日本記録保持者である25歳の新濱は“エース”として、今シーズンの同種目でワールドカップ(W杯)初優勝を飾るなど絶好調の21歳・森重は“新星”として、初の五輪に臨む。

 そんな2人には「種目」と「初の五輪出場」以外にも共通項がある。それは北海道別海町の生まれで、少年時代に同じ「別海スケート少年団白鳥」に所属していたことだ。少年時代の新濱と森重を、監督として指導した小村茂さんに話を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・谷沢 直也)

   ◇   ◇   ◇

 新濱と森重が生まれた別海町は、オホーツク海の先に北方領土を望む北海道東部に位置する町だ。人口は約1万5000人、東西61.4キロ、南北44.3キロという広大な面積を誇る町は、内陸の丘陵地帯に10万頭を超える牛が飼育されており、生乳生産量日本一を誇る“酪農王国”として知られている。

 そんな北海道らしい大自然に囲まれた町には、寒さの厳しい冬に“手作り”される町営の屋外スケートリンクがある。そこを拠点に活動しているのが、新濱と森重が小・中学生時代に所属した「別海スケート少年団白鳥」だ。

「2人とも地元に帰省した時、必ずウチの少年団に顔を出して子供たちと交流してくれる。スーパースターというより、本当に身近な存在の親しいお兄ちゃん。そういう2人が世界の第一線で活躍しているというのは、今の小中学生にとっても嬉しくて、頼もしい存在になっていると思います」

 そう語るのは小・中学生時代の新濱と森重を指導し、現在も同少年団の監督を務めている小村茂さん。別海スケート少年団白鳥は、1981年に当時教員だった楠瀬功さんが立ち上げ、地元出身の小村さんはその時にスケートを教わった1人。その後92年に就職のため別海町に戻った時、子供たちの指導を手伝うことになり、37歳で監督となった。

1 2 3 4
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集