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羽生結弦の言葉に感じた達観の境地 「もう何も怖くない」今、4回転アクセル成功なるか

羽生の言葉から見えた「もう何も怖くない」という心境

 不運に見舞われるアクシデントでサルコーが無得点となり、技術点が伸びなかったために合計95.15点にとどまり、順位も8位と出遅れた。

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 94年ぶりの3連覇達成に向けた戦いは少し厳しくなったが、羽生にはまだやるべきことがある。10日に行われるフリーの『天と地と』で4回転アクセルに挑んで成功させ、GOE加点を引き出すようなジャンプを跳ぶ最大の目標を成し遂げることだ。4年前の平昌五輪で金メダルを取った直後に前人未踏の4回転アクセルを跳ぶことを目標に掲げて、試合で挑むレベルまでひたすら練習に取り組んできた。

「アクセルは王様のジャンプだから極めて武器にしなさい」と幼少期に指導を受けた恩師の都築章一郎氏から言われてきた羽生が、いよいよ究極の「4回転アクセル」を大舞台で挑戦する日がやってくる。それも五輪という、最高の晴れ舞台だ。

「やってみなきゃ分からないことはありますけど、必死になってくらいついていきたいと思っています。コンディションはかなりいいなと思っていますし、今日、(4回転サルコーの踏切でエッジが穴にはまった)不運もあったんですけど、氷との相性も自分の中ではすごくいいなと思っているので、しっかり練習して決め切りたいです。気持ちを切り替えて、フリー頑張ります」

 3度目の五輪を迎えるまで、羽生自身は一番濃密な練習を積んできたという。五輪前は「連覇という肩書がなくなるのは怖い」と吐露していたが、SP後は「もう何も怖くない」と開き直れているようだった。

 一方、ほかの日本勢2人ともに自己ベストを出す演技を見せて、メダル争いに向けて好発進した。

 平昌五輪銀メダルの宇野昌磨は、武器である4回転フリップを切れ味鋭く跳んで、課題だったトウループの連続ジャンプで4回転+3回転を跳んで見せたが、着氷で右手をついた。それでもミスはこれだけで最小限に抑え、合計105.90点をマーク。団体戦のSPで更新した自己ベストをさらに更新する出来で3位だった。

「練習してきた通りに挑めたSPでは成功したジャンプがすべて納得いくものだった。フリーは次につながる演技、そして失敗しても自分の成長につながる演技、いつも通りの演技をしたいです」

 1位を争える選手になりたいと公言して臨んだ2度目の五輪で、首位と8.07点差がついた。競技人生の集大成が詰まったフリー曲『ボレロ』で巻き返したいところだ。

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