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五輪王者・羽生結弦が裏方に見せる「普通」の顔 14歳から知る日本代表ドクターの証言

「試合前の練習とかでは声を掛けられない。なかなかオーラが凄いですから」と笑った土屋明弘さん【写真:浜田洋平】
「試合前の練習とかでは声を掛けられない。なかなかオーラが凄いですから」と笑った土屋明弘さん【写真:浜田洋平】

羽生結弦の裏方との接し方とは「こっちも気が楽ですよ」

 競技の特性として足首の捻挫、疲労骨折など痛みは付きもの。右足で着氷するため、幼い頃からのダメージが蓄積し、右足だけO脚に湾曲する選手もいる。体重何倍もある負荷。羽生が挑戦している「4回転アクセル」は世界で誰も成功したことがない。相当な危険もある。全日本選手権では両足着氷だった。

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「やはり回転速度が上がらないと回らないですから。今度はそれを止めなきゃいけない。そこで衝撃が加わると思います。降りる時にどうしても捻ることになる。今回(全日本)はギリギリですよね。ぐにゃってなったので心配でした。

 4回転アクセルに挑戦するという話が出た時、違う選手のコーチたちも『できるのは羽生くんだけでしょう』と話をしているのを聞いていました。羽生選手はトリプルアクセルも本当に綺麗。『今のトリプル?』って思うぐらい軽く跳びますよね」

 高さのあるジャンプの負担を想像する一方、前人未到の偉業達成への期待もある。

 希代のスケーターに出会って13年。緊張していた14歳の中学2年生は今、眩い輝きを放っている。拠点は離れ、代表活動などでしか会わないため、全てを知るわけではない。それでも、初々しかったあの頃との違いを感じている。「試合前の練習とかでは声を掛けられない。なかなかオーラが凄いですから。最近はとにかく邪魔しないようにと思っています」。しかし、裏方と接する時は「いつもと同じ」と笑う。

「挨拶もするし、私も『こんにちは』って。普通です。特別なことなんてないです。普通の会話もしてくれます。普通の方がこっちも気が楽ですよ」

 もう27歳。大きく成長した姿もあれば、変わらない人柄もある。だから、誰もが支えたくもなる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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