羽生結弦、後世に語り継がれる江陵の記憶 “完璧を超える”名演で達成した五輪連覇
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#30 「フィギュアスケート五輪激闘譜」2018年平昌五輪・男子シングル編
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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今回は過去3大会の激闘を振り返る「フィギュアスケート五輪激闘譜」、2018年平昌五輪の男子シングル編だ。“王者”として2度目の大舞台に臨む羽生結弦だったが、五輪シーズンに右足首を負傷するアクシデントに見舞われる。復帰戦が五輪本番になるという状況だったが、平昌ではブランクを感じさせないどころか、さらなる進化を感じさせる圧巻の演技を披露。五輪連覇を果たし、歴史にその名を刻んだ。(文=松原 孝臣)
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2018年平昌五輪のフィギュアスケート男子は、圧倒的な存在感を放つスケーターとともに、これからもきっと長く語り継がれることになるはずだ。それだけのインパクトと余韻を残したのは、羽生結弦にほかならない。
金メダルを獲得した2014年ソチ五輪から4年。19歳から23歳という技術、表現の両面で飛躍が期待される時期に、羽生もさらに成長した姿を見せたいと日々を過ごし、平昌五輪を迎えるはずだった。
だが、大きなアクシデントが襲った。
2017-2018シーズンのNHK杯の公式練習中、ジャンプの着氷で転倒。その時、右足首を痛める。
それは容易ならざる怪我であった。結果、NHK杯の棄権を余儀なくされたのは無論のこと、その後の大会も欠場を強いられた。復帰戦となったのが、平昌五輪だった。
通常、フィギュアスケートに限らず、どの競技であれ、それだけのブランクは確実にマイナスになる。しかも怪我からの回復具合も関わってくる。
懸念と心配が渦巻くなか、羽生は江陵アイスアリーナのリンクに立った。