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北京五輪の日本は「冬季史上最強」 橋本聖子会長が語る、コロナ禍でスポーツが与える力

自身も“二刀流”だった橋本会長、「相乗効果が生まれ、必ず次のすべてのことに生かすことができる」と挑戦する重要性を説いた【写真:高橋学】
自身も“二刀流”だった橋本会長、「相乗効果が生まれ、必ず次のすべてのことに生かすことができる」と挑戦する重要性を説いた【写真:高橋学】

羽生結弦の渾身パフォーマンスに期待

――夏と比べて冬の五輪の魅力とは?

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「誰もがすぐに親しむことができないスポーツなので、魅力があると思いますね。夏のスポーツだと、だいたいのことは触れるチャンスはあると思いますけど、冬のスポーツは限られた環境とか、限られた場所でしかできないものです。しかも、人類がどうやって知恵を絞って、雪や氷というものを利用しながら自分たちの生活を成り立たせてきたのかという歴史があります。遠くへ行くのにはスキーでしか行けないとか、オランダの運河の歴史のように、氷ですべてが凍ってしまい流通は氷の上をたどっていくしかないということから生まれたスポーツでもあります。場所によっては観光資源でもあります。五輪、パラリンピックを見たことによって、より触れてみたいということが、結果的には観光業にもつながったり、産業の発展につながっていく。そういうすべてがあらゆる分野に対して循環をもたらすことは、非常に奥が深いと思います」

――日本選手団は124人が名前を連ねました。

「今回はたぶん、ウインタースポーツ史上最強軍団じゃないですか。氷も雪も。非常に楽しみな大会だと思いますね。注目競技は全部です。羽生(結弦)選手の3連覇を期待している方もいるでしょうし、誰もが彼の渾身のパフォーマンスの瞬間を見たいと思うでしょう。スピードスケートで言うと、高木美帆選手が5種目出るということが話題になっていました。でも、彼女の場合は今までと違い、全種目でメダルを取るチャンスだってある。ぜひ大きく飛躍してほしいですよね。素晴らしく技術力が向上し、ものすごく層が厚くなっている種目もあるので、それぞれの選手の成長も見たい大会です。冬として、過去最高のメダル数も確実に達成できると思います」

――スケートと自転車で活躍された橋本会長に続く流れで、スノーボードの平野歩夢やモーグルの原大智など、“二刀流”の選手も増えました。

「いいことだと思います。誰もが(二刀流の)チャンスはあるのですが、やはり大変なことですし、リスクを考えますよね。でも、私自身もいろいろやってきたんですけど、リスクとは思わなかったので、できたのではないかと思うんです。リスクっていうのは最大のチャンスなので。その最大のチャンスを生かそうと思うと、相乗効果が生まれてきます。だから、チャレンジですよね。たとえそれが失敗に終わったとしても、必ず次のすべてのことに生かすことができるので、自信を持ってやってもらいたいと思います」

――トップクラスになると安定を求める選手がいる中で、リスクを取る意味とは?

「そこはやっぱり勝ち方の質を上げようと思っているから、チャレンジするんだと思うんです。ただ単に日本一になる、世界一になるっていうことではなくて、自分を超える自分に期待しているんだと思いますね。そうすることによって、勝ち方の質を一層上げていく。ただ単に勝つだけではなくて、勝つということの質を上げることにより、確実に勝てる確率が上がっていく。そこもまたスポーツの魅力だと思います」

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橋本聖子

東京五輪・パラリンピック組織委員会会長 
1964年10月5日、北海道出身。駒澤大学附属苫小牧高校卒業後、富士急行株式会社に入社。五輪はスピードスケートで冬4回、自転車で夏3回出場し、五輪出場計7回。92年アルベールビル大会1500メートルで銅メダルを獲得した。95年参議院議員に初当選。東京五輪・パラリンピック担当大臣を経て、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長。
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