北京五輪の日本は「冬季史上最強」 橋本聖子会長が語る、コロナ禍でスポーツが与える力
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。今回はスピードスケートと自転車競技の選手として合計7回(冬季4回、夏季3回)の五輪に出場し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を務める橋本聖子氏の単独インタビューをお届けする。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#6 橋本聖子会長単独インタビュー
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。今回はスピードスケートと自転車競技の選手として合計7回(冬季4回、夏季3回)の五輪に出場し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を務める橋本聖子氏の単独インタビューをお届けする。
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4日にいよいよ開幕する北京五輪。コロナ禍での開催は昨夏の東京大会に続く2回目、冬の五輪では初めてとなる。日本選手団は124人の選手を送り、史上最多13個(金4、銀5、銅4)のメダルを獲得した前回の平昌五輪を上回る活躍を目指す。厳戒態勢の北京でどんなドラマが繰り広げられるのか。五輪の舞台を熟知する橋本会長に、開催の意義や見どころについて聞いた。(取材・文=水沼 一夫)
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――いよいよ北京五輪が開幕します。大会への期待をどのように考えていますか?
「東京大会は史上初めて延期になり、コロナ禍で行われた大会でしたが、北京もコロナ禍での大会になって無観客になりました。そういう中で、スポーツの意義や価値をさらに世界に発信してもらえる大会になってもらえたらと思います」
――開催に向けて、日本が協力できたことはありますか?
「北京の組織委員会が、東京大会の時に視察に来てくださっていました。プレーブック(感染対策の指針)、いわゆるコロナ対策をどのようにやっていくかというルールブックを3回改訂しながら大会を迎えましたが、コロナ禍で行われた東京大会のやり方をレガシーとして北京で引き継いでいただいて、さらに東京以上にコロナ対策のハードルを上げて準備をしている。本当に最後まで選手、関係者、そして中国国民の皆さんの命と健康を守り抜くということを第一にやってほしいと思います」
――北京五輪でも外部と接触を遮断する「バブル方式」が採用されています。北京の「ゼロコロナ」政策に対する評価は?
「東京大会の時は選手村であったり競技場であったり、あるいは事前合宿所であったり、バブルを作りまして、バブルとバブルがたくさんあって、そのバブルとバブルをつなげるために、どういうバブルを作るかというイメージでしたけど、北京は北京全土をバブル化するイメージ。それは大変なことですし、でも、それをやれる中国は凄いなと思います。できる限り、早期発見と言いますか、検査を徹底して正しくコロナを恐れて、コロナを“見える化”していってほしいと思います」
――東京大会で出た課題を北京大会に生かせる部分はありますか?
「東京大会は全体でスクリーニング検査を100万回実施しました。選手は毎日検査、選手と接触するスタッフも同じで、選手村に入る方は2日に1回、3日に1回検査して段階を分けてやっていました。全体としては0.03%の感染率でしたが、どんなに検査をしてもすり抜けるコロナウイルスがある。検査を何度繰り返しても、100%ではないのだということで、気をつけてもらいたいと思います」