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騒動から6か月、因縁の再戦に元世界王者が注目 拳四朗は「大きくプランを変えてくる」

お互いにとって「絶対に負けられない試合」

 拳四朗は今回の会見で、「負ける試合ではなかった。いつも通りの戦い方をしたら絶対に勝てる相手。しっかりと決着をつけたい」と話している。今回は絶対に落とせない試合になるため、気合いも十分だろう。

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 一方、矢吹は「相手は自分より総合力が高い選手。前回同様、チャレンジャー精神で戦ってしっかり防衛する。1つ、2つ戦術を変えてくると思うので対応していく。後半勝負になるのでスタミナが鍵になる」と話している。

 ボクサーにとって再戦は特別だ。負けたほうは戦い方を変えて臨むが、勝ったほうはそのままの戦い方で臨むケースが多い。お互い手の内が分かっているため、拳四朗は大きくプランを変えてくるだろう。

 拳四朗は前回の試合を振り返り、「4ラウンドまでのポイントが(ジャッジに)取ってもらえていなかったので、手数を増やして、いつも通りの戦いをすれば絶対に勝てる」と話していた。

 私もダイレクトリマッチの経験はあるが、ボクサーとして同じ選手に再び負けることはプライドが許さない。負けた試合を振り返り、どう戦うか、何が敗戦に繋がったのかを分析し、万全な対策を講じる。

 拳四朗も前回の試合を反省し、前半からポイントを取りに行くだろう。積極的に前に出る拳四朗に対し、矢吹がどのように迎え撃つのかがポイントになる。

 拳四朗は世界王者に返り咲き、自らの力を証明しなければならない。矢吹はバッティング騒動で一部からバッシングを受け、プライドを大きく傷つけられた。お互いにとって絶対に負けられない試合となり、前回の試合とはまた違った激闘が予想される。

 この階級には日本人王者として、WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(28歳/ワタナベ)もいる。勝利した先には、京口との対戦も見据えることになるはずだ。日本人選手が多いこの階級の勝敗の行方に注目したい。

(木村 悠 / Yu Kimura)

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木村 悠

1983年生まれ。大学卒業後の2006年にプロデビューし、商社に勤めながら戦う異色の「商社マンボクサー」として注目を集める。2014年に日本ライトフライ級王座を獲得すると、2015年11月には世界初挑戦で第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオンとなった。2016年の現役引退後は、株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動、社員研修、ダイエット事業など多方面で活躍。2019年から『オンラインジム』をオープンすると、2021年7月には初の著書『ザ・ラストダイエット』(集英社)を上梓した。

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