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優れたサッカー選手が生まれる環境とは? 本田、長友、家長…切磋琢磨した集団の強さ

アスレティック・ビルバオと「少数精鋭」の論理

 例えば、スペインで100年以上の歴史を誇るアスレティック・ビルバオは、純血主義を貫いている。約270万人のバスク人のみで、リーガ・エスパニョーラ1部の座を守ってきたのは偉業だ(他にレアル・マドリード、FCバルセロナがあるが、彼らは多国籍軍団)。

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「バスク人だけという限られた人材で勝負するわけですが、だからこそ我々は人材を大事にするし、少年たちも『先人の後に続く』という気持ちで挑戦心にあふれています」

 アスレティック・ビルバオの伝説的GKで、クラブの顧問を務めるホセ・アンヘル・イリバルは「少数精鋭」の論理を語っていた。

「内部には激しい競争がありますよ。我々は選手に最大限で戦うことを求めますから。ただ、それは殺伐としたものではなく、むしろ結束は固いです。なぜなら、トップチームが外国人に頼れないことを知っているわけで、自分たちがチームを支えるんだ、という誇り高さを養えるんですよ。何も言わなくても心が通じるほどに」

 クラブがどのようなフィロソフィを土台にしているか。それ次第で、クラブ単位の育成は別物になるのだ。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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