大隈重信の格言が重なった早大ラグビー 真冬の国立、エースFBが味わった55失点の屈辱
高2の時も準優勝から翌年日本一、河瀬「悔しさを糧に目の色を変えられるか」
相手の天理大は過去の失敗から立ち上がった試合だった。2018年度以来3度目の決勝。2年前に涙をのんだ1、2年生が主力にいた。「決勝に向けた思いが違った。僕たちも勝ちたい思いは強くてバトルしたけど、それ以上にバトルされた」と河瀬。悔しさによって何倍にも大きくなるバネの強さを肌で痛感した。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
明大、日本代表でNO8として活躍し、“怪童”と呼ばれた泰治氏を父に持ち、大阪・東海大仰星高時代から注目されてきた。実は河瀬も失敗に打ち勝った経験がある。
高校2年時、東福岡と花園決勝を戦った。7点を追う試合最終盤、高めに浮いたパスを受け取れず痛恨のノックオンを犯した。当時もノーサイドの瞬間から突っ伏して号泣。それでも、最終学年の翌年度は日本一でリベンジしてみせた。
早大で伝統の赤黒ジャージに袖を通し、くしくも同じように最終学年1つ前に準優勝。「この悔しさを糧に3年生以下がどれだけ目の色を変えられるか。この悔しさを他のメンバーに伝えたい」。悔しいとしか言えなかった日から11か月。早大は初戦として、26日に明大との準々決勝を迎える。
失敗に落胆しなさるな。1月の負けに打ち勝ち、成功を期さなければならぬ。名門を背負う男が成長を示す。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)