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本田圭佑、C.ロナウドは「反骨心を力に変える天才」 10代で自ら確立した精神的支柱

本田が味わった挫折…心を折られるたびに強くなった

 ロナウドは「泣き虫」と言われ、よく泣いた。しかし泣くたびに強くなっていった。それはまるで漫画のヒーローのようだったという。

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「涙は子供として、許容範囲を超えた感情をリセットするものだったのかもしれません。本来の自分を取り戻す手段だったのでしょう。実際は、大人と子供の狭間にいたんでしょうね」

 メンドーサは少し悲しそうだった。

 与えられる教えには限界がある。結局は、本人が何をつかみ取れるか。教えられてプロになるような程度の選手は、結局は伸び悩む。

 日本を代表する選手になった本田圭佑も、反骨心をエネルギーに変換する天才だ。ガンバ大阪のユースに昇格できなかった挫折は、一つの原点だろう。

「お前ら、どんな恥ずかしい思いをさせてくれるんや!」

 それは怒りの感情にも近かったという。

「父親からは『何かやるなら必ず一番であり続けろ』と教えられてきたんで。ほんま厳しかったんですよ。だからガンバで落第した時も、当然のように叱責を覚悟していたんですが、何も言われなかった。顔色を見て、あれだけ厳しかった親父も、あの時だけは何も言いませんでした。だからこそ、俺はあの時やる気になったんやと思います」

 その後も、本気で挑み続けた本田は、心を折られるたびに強くなった。

 結局、歩みを止めず、教えをアップデートできる者だけが生き残れるのだ。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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