史上最も「結果」を残した内村航平 「結果はどうでもいい」と言い放つ最強選手の境地
内村にしか言えないセリフ「僕は散々、結果を残せるだけ残してきた」
「結果はどうでもいい」という言葉。中途半端な選手なら言い訳にも聞こえてしまう。6位の手ぶらで帰る世界体操。結果以上のものを追い求める内村だからたどり着いた境地に見えた。
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「僕は散々残せるだけ残してきた。お客さんに盛り上がってもらうことが大事。演技で返す。これがスポーツのあるべき姿だなと凄く感じた。結果とかホントにどうでもいい。お客さんの前でやれることがありがたい。ぶっちゃけ、それだけでよかった。
体操をやることにおいて、今日は結果じゃないものを知れた気がする。メダルを獲れなかったけど、鉄棒選手の中ではお客さんを一番味方につけた。やっぱりそれ(結果)じゃないんだなと。今まで世界一になって引っ張ってきて、結果以上のものを体操で出したいと思っていた。今日、それができてよかった」
予選の演技後、一人で客席に歩み寄った。手にしていたのは、サイン入りの日本代表Tシャツ。感謝を込めて投げ入れた。「世界大会であんな勝手なことをするのは僕くらいしかいない。火付け役になって他の選手がやるかも」。とにかく今を楽しんでほしい。ファンを想って動いた。結果、大会最終日には日本代表全員で同じくTシャツを投げ入れ、感謝を表現した。
アスリートにとって、「真のパフォーマンス」は感動する人がいてつくり上げられる。「そこの追求はやってみたい」。史上最高の体操選手に、得点だけでは決して計れない力を感じる瞬間だった。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)