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渋野日向子とファンの密接な関係 春の沖縄で見た、プロとして「私がゴルフをやる理由」

2021年も多くのスポーツが行われ、「THE ANSWER」では今年13競技を取材した一人の記者が1年間を振り返る連載「Catch The Moment」をスタートする。現場で見たこと、感じたこと、当時は記事にならなかった裏話まで、12月1日から毎日コラム形式でお届け。第1回は、3月の女子ゴルフ21年初戦・ダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)に出場した渋野日向子(サントリー)が登場する。ギャラリーと一緒にゴルフを楽しむ姿を目撃し、「伝えてほしいことは何か」を聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

9番グリーン奥からのアプローチ、渋野は“もっと寄って”と煽るジェスチャーを見せた【写真:日刊スポーツ/アフロ】
9番グリーン奥からのアプローチ、渋野は“もっと寄って”と煽るジェスチャーを見せた【写真:日刊スポーツ/アフロ】

一人の記者が届ける「THE ANSWER」の新連載、第1回は女子ゴルフ・渋野日向子

 2021年も多くのスポーツが行われ、「THE ANSWER」では今年13競技を取材した一人の記者が1年間を振り返る連載「Catch The Moment」をスタートする。現場で見たこと、感じたこと、当時は記事にならなかった裏話まで、12月1日から毎日コラム形式でお届け。第1回は、3月の女子ゴルフ21年初戦・ダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)に出場した渋野日向子(サントリー)が登場する。ギャラリーと一緒にゴルフを楽しむ姿を目撃し、「伝えてほしいことは何か」を聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 渋野も、ファンもゴルフを楽しんでいる。両者の関係は密接に結びついているように見えた。

 3月4日、今年初戦の初日。各日1000人を上限とし、19年最終戦以来459日ぶりに有観客が解禁された。沖縄では2年ぶりの大会開催。868人が駆けつけ、渋野の組にも多くのギャラリーがついた。

 印象に残ったのは、大きな拍手が鳴った3番の今年初バーディーではない。9番パー4、グリーン奥のバンカーに入れてしまった後だった。第3打のアプローチ。フワリと浮いたボールは勢いが足りない。傾斜をゆっくりと下る中、渋野は下から煽るように何度も両手を大きく振った。

 今にも止まりそうなボールに対し、笑顔のまま“もっと寄って”という気持ちを込めたジェスチャー。少しオーバーな動きに、数百人の観衆から笑い声が漏れた。

 3メートルほど届かず、パーパットを外してボギー。通常はバーディーやナイスパーなど好プレーに対して鳴る拍手が、スコアを落とした渋野に注がれた。1アンダーの20位発進となったラウンド後、一日を振り返る22歳の声は弾んでいた。やはり笑顔だった。

「(有観客は)久しぶりだったので、最後までめちゃくちゃ楽しんでいました。同組の選手への拍手でさえも嬉しかったです。小さい声で『ナイスバーディー』『頑張れ』と言われるのも、しみじみ来ました。拍手って本当に凄いものなんだと改めて感じましたね。私は見に来てくださる方がいることによってゴルフを楽しんでいるんだなと。去年は(無観客で)それをあまり思えなかった。ギャラリーの方々の大切さを凄く感じました」

 以前取材したツアー通算6勝の北田瑠衣は、ラウンドレポーターとして間近で見守ったことのある渋野について「ギャラリーも含めて『みんなで一緒に楽しみましょう!』という感じが凄く出ている」と表現していた。沖縄で見た光景は、まさにそんな雰囲気に包まれていた。

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