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日本のアマボクシングが強くなった理由 山根政権の“金の流れ”を変えた連盟の改革

世界選手権優勝が決まった瞬間の岡澤セオン、「プロのアマボクサー」としてロールモデルになろうとしている【写真:Getty Images】
世界選手権優勝が決まった瞬間の岡澤セオン、「プロのアマボクサー」としてロールモデルになろうとしている【写真:Getty Images】

物議を呼んだ「奈良判定」、菊池氏「油断してはいけない。審判員も重く感じてる」

 菊池氏は、岡澤がアマボクサーのロールモデルになることを期待している。4月からスポンサー収入だけで活動する「プロのアマボクサー」になった。自ら支援相談に出向くなど、約20社の企業からサポートしてもらっている。遠征やケアの費用も自腹だという。

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菊池氏「全て自分でやってくれています。あれは“セオンスタイル”ということで、私たちも岡澤選手のためにできることはサポートしました。これからの選手たちもあの形を目指してほしい。彼は『ありがとうございます!』と言ってくれるけど、『いやいや、これが本来の姿なんだ』と伝えています」

 浮いた資金はジュニア世代の育成や競技普及など、日本連盟の新たな活動に充てることができる。

 前体制では、試合の判定も物議を醸した。特定地域の選手を贔屓したとされる審判員の不正判定疑惑。「奈良判定」のワードは新語・流行語大賞のトップ10にまで選ばれてしまった。前代未聞の状況が二度と生まれないよう新体制では努めてきた。

菊池氏「公平になったことで、実力を出した選手が正しく勝ち上がれるようになったと思います。ただ、やはり油断してはいけないのは人の心にある忖度です。審判員もそれは重く感じ、あってはいけないと強く意識しています。これからさらに徹底させるため、もし地方の大会でも納得いかない判定があれば、映像などのエビデンスとともに通報できる仕組みをつくっていくところです」

 競技普及でも力を注いだ。今月6、7日には全日本マスボクシング大会を初開催。大きめのグラブとヘッドギアをつけ、力を入れずに打ち合うマスボクシング。小学1年生から上限の年齢制限はなし。男女で年代別にカテゴリーが分けられ、最も上のシルバーエイジ(71歳以上)男子の部では、74歳が優勝したという。

内田会長「あぐらをかかず、私たちが次の一手を打たなければいけないということで開きました。登録数ではいえば170人くらいですが、これからかなり増えていくと思います。生涯スポーツ、健康スポーツ、普及させるためのスポーツという3つの形で進めていきたい。子どもたちの入り口になり、リングを経験させてあげることが大事。その先には障害者スポーツとしてマスボクシングができるようにすることも開発中です」

 2019年には「ゴールデンキッズ」の名称でジュニア世代のマスボクシング大会も開催。コロナ禍で20、21年は中止となったが、競技の裾野を広げる活動を進めている。

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