[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

日本のアマボクシングが強くなった理由 山根政権の“金の流れ”を変えた連盟の改革

日本ボクシング連盟は生まれ変わったのか。2018年夏、前会長の山根明氏の体制下では様々な問題が表面化。山根氏の風貌と独特なキャラクターも相まって、大騒動に発展した。新体制移行から3年が経ち、東京五輪でメダル3つ、世界選手権で金メダル2つを獲得するなど、活況を見せるアマチュアボクシング。体制を引き継いだ内田貞信会長、体制交代に尽力し、副会長に就いた菊池浩吉氏(現理事)に「日本ボクシング連盟の今」を聞いた。

東京五輪で金メダルを獲得した入江聖奈、なぜ日本のアマボクシングは強くなったのか【写真:Getty Images】
東京五輪で金メダルを獲得した入江聖奈、なぜ日本のアマボクシングは強くなったのか【写真:Getty Images】

「日本ボクシング連盟の今」後編

 日本ボクシング連盟は生まれ変わったのか。2018年夏、前会長の山根明氏の体制下では様々な問題が表面化。山根氏の風貌と独特なキャラクターも相まって、大騒動に発展した。新体制移行から3年が経ち、東京五輪でメダル3つ、世界選手権で金メダル2つを獲得するなど、活況を見せるアマチュアボクシング。体制を引き継いだ内田貞信会長、体制交代に尽力し、副会長に就いた菊池浩吉氏(現理事)に「日本ボクシング連盟の今」を聞いた。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 後編では、今年世界で活躍する選手が台頭した理由などに着目する。山根政権下にはなかった、選手強化とスポンサーの資金援助における「選手ファースト」の改革。物議を醸した不正判定疑惑をなくし、競技人口の裾野を広げる活動を進めてきた。公益法人化は「目前」と言えるまでに信頼回復に努めた3年間に迫る。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

 18年夏、「日本ボクシングを再興する会」が山根会長の不正を指摘する告発状をスポーツ庁などに提出。助成金の不正流用、審判員の不正判定疑惑、試合用グラブの不透明な独占販売など、叩けばどんどんホコリが舞う状態だった。山根氏は辞任に追い込まれたのち、大きく関わった一部の幹部とともに除名処分が下された。

“山根問題”から3年。東京五輪で入江聖奈が金、並木月海と田中亮明が銅で3つのメダルを獲得した。10月の世界選手権では、岡澤セオンと坪井智也が同じ日に日本人初優勝の快挙を達成。以前からメダリストはいたが、1年間で3人も“世界王者”が生まれた。今、勢いのあるアマチュアスポーツだ。

 騒動当時、多数のメディアに出演するなど組織改革に奔走してきた菊池氏は、新体制の副会長に就任。なぜ、選手たちが次々と結果を残せたのか。選手のひたむきな努力があったことは大前提のもと、日本連盟内の改革を明かしてくれた。

菊池氏「私たちもこの活躍はなぜなのか考えます。言えるのは『選手ファースト』の姿勢を取ってきたことじゃないかと。何が選手ファーストなのか。合宿中の練習や試合前の調整は、選手と話し合いながら個々に任せました。ベテランもいますし、みんなエリートですから自分の調整方法がある。それを受け入れて、ディスカッションしながら個々に任せる。それによって、試合で自分の実力を出しやすくなったと思います」

 スポンサーが選手に払う資金においても改革された。前体制下では、30%が日本連盟に入る“日連ファースト”の契約条件。今は選手に100%入るように変えた。日本連盟には企業側が応じてくれた場合のみ支払われる。菊池氏は「企業に110%の援助をお願いすることもあります。10%だけ日連(日本連盟)がいただく。これは企業側が許可してくださった場合だけ。選手への額は変わりません」と強調した。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集