五輪開会式で話題になった看護師ボクサーの今 月~土曜まで非常勤で目指すパリ五輪
出演後は大反響、同じ看護師から「凄く勇気づけられました」の声
演出側の表現したいことを聞き「ありのままの自分と重なることが多かった。それをそのまま表現しただけで、どう感じるかどうかは見ている方々次第」と説明。大会の延期や中止にも挫けることなく汗を流した日々を思い出しながら走った。
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「感動しました」。出演後にもらった多くの声に意義を感じた。中には同じ看護師から「凄く勇気づけられました」という言葉も。真剣な眼差しの演技に対し、医院の患者たちに「女優を目指してるの?」と可愛がってもらえる。コロナ禍で自分に何ができるのか。微力でもいいという想いが大きな力を生み出した。
「そんなに凄いと思ってやっていなかったけど、そういう気持ちにさせられることができていたなら、自分がやってきたことがよかったのかなと思いました。延期の1年は、大会があるのか、ないのか考えていた。最終予選がなくなったけど『もう一回頑張ろう』と考えられた。その時、その時の自分を思い出しながらやっていたので、それが表情に出たのだと思います」
現在は月曜から土曜まで、午前10時から午後4時の非常勤。以前は入院患者のために夜勤にも入っていたが、外来患者とデイケアのみとなった。朝と勤務後の2部練習でレベルアップに励んでいる。ボクシング中心の生活。目指すは24年パリ五輪だ。
「正直、前はパリ五輪まで目指す気持ちはなかったけど、開会式に出て身近に五輪を感じられた。日本人選手が活躍している場面に五輪の凄さ、反響の大きさを感じた。根気強く練習し続けられるのは私の強み。気持ちでは誰にも負けないと思います」
夏に視線を集めたボクサーは、今も根気強く走り続けている。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)