[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

教員の「部活指導負担」問題は解消できるか やりたい人の“指導する権利”も守る米国

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「教員の部活指導負担」について。

米国の部活動指導の在り方から日本は何を学ぶべきか(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
米国の部活動指導の在り方から日本は何を学ぶべきか(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

連載「Sports From USA」―今回は「教員の部活指導負担」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「教員の部活指導負担」について。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 ここ数年、日本では部活動を指導する教員の負担がクローズアップされている。

 教員の負担が浮かび上がってきてからは、いかにして部活動指導をする教員の負担を減らすかが提案され、実行に移されている。現在、すすめられている対策は次のようなものである。外部指導者、部活動指導員の導入、民間委託、そして地域移行化だ。

 しかし、部活動指導に携わる全ての教員が、指導をやめたいと考えているわけではない。例えば、名古屋大学の内田良准教授らの「調査報告 学校の部活動と働き方改革 教師の意識と実態から考える」(岩波ブックレット)によると、およそ3割の教員は部活動指導にストレスを感じておらず、楽しんでいるという。

 これから、やりたくない教員は指導を引き受けなくてもよく、希望する教員は指導を続けることができ、外部からの指導者や民間委託を取り入れ、一部で地域移行することができるようになったら、部活動問題は大きく前進するだろう。しかし、部活動指導を希望する教員と、そうでない教員、外部から適任の指導者を見つけ、うまく配置すること、また、地域と連携することは、なかなかに骨の折れる作業になるのではないか。

 私がそのように思うのは、米国の部活動指導の様子を見ているからだ。

1 2 3

谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集