「友達でも、恋人でもいい」 五輪を目指すフィギュア選手に今、必要な“支え”とは
五輪を目指している選手に作ってほしい心の支え「友達でも、恋人でもいい」
GPシリーズがいよいよ開幕。代表選考を兼ねた12月の全日本選手権まで、この2か月ですべてが決まる。
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男子は五輪3連覇を目指す羽生結弦、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨、2大会連続代表を狙う田中刑事、若手の鍵山優真、佐藤駿らに期待が集まる。女子は全日本選手権2連覇である紀平梨花、平昌五輪代表の宮原知子、坂本花織に、世界選手権銀メダルの経験を持つ樋口新葉ら実力者もいる。
最後に。今、まさに五輪シーズンに挑んでいる後輩たちへ、中野さんは「私がこうしておけばよかったと思うこと」を教えてくれた。
「誰か一人でもいいから、何でも話せる人を作っておくことです。逃げ道とまでいかないですが、スケートのことを何でも聞いてくれて、受け止めてくれる人。話すことでストレスが解消される。私の場合は姉がたくさん話を聞いてくれました。そういう存在は身近にいると、きっといい。必ずしも家族じゃなくていい。友達でも、恋人でもいい。誰でもいいから一人、自分のストレスが出せるところを作っていくことが大切です。
そして、シーズンに入ってからは体を追い込みすぎないこと。シーズンに入るまでの練習量が凄く大事なのですが、スケートの時間とスケートを離れた時間を切り替え、なるべく楽しいことをして、リフレッシュする時間を作ってほしい。私みたいに一人で殻に閉じこもりがちなタイプは後悔の塊になってしまい、それは本当に良くない。たくさんいろんな人に話して、たくさん遊んでストレスを抱えないようにしてほしいと思います」
12月の全日本選手権は22日から5日間、さいたまスーパーアリーナで開催。明と暗は、必ず分かれる。それでも、演技を終えた瞬間、すべてのスケーターが持てる力を出し切り、晴れやかな表情で立っていることを、中野さんは願っている。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)