ロッテ荻野貴司はなぜ故障しなくなったのか スピードと引き換えに軽減された体の負担
現在パ・リーグ首位を走るロッテの荻野貴司外野手が「THE ANSWER」のインタビューに応じた。10月に36歳となるベテランは、1番打者としてリーグ最多136安打を放つなどチームを牽引している。度重なる怪我に苦しんだ時期も長かったが、今季はここまで全試合に出場中。故障をしなくなった要因、ある大怪我で得た貴重な経験を振り返るとともに、今季のロッテの強さについても語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)
今季は1番打者で全試合に出場、リーグ最多安打でチームを牽引
現在パ・リーグ首位を走るロッテの荻野貴司外野手が「THE ANSWER」のインタビューに応じた。10月に36歳となるベテランは、1番打者としてリーグ最多136安打を放つなどチームを牽引している。度重なる怪我に苦しんだ時期も長かったが、今季はここまで全試合に出場中。故障をしなくなった要因、ある大怪我で得た貴重な経験を振り返るとともに、今季のロッテの強さについても語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)
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「正直、何か特別なことをした訳でもないんです。だから、なぜこの成績が出せているか……今パッと思いつくことはないですね」
リーグ5位の打率.303、同2位の73得点と開幕から貢献を続ける荻野。放ったヒットの数は吉田正尚(オリックス)、柳田悠岐(ソフトバンク)ら並み居る好打者を抑えて1位だ。オールスターゲームにも出場するなど充実のシーズンを過ごしているが、オンライン取材で今季の好成績について尋ねると、ちょっと困ったように笑った。
今年10月に36歳を迎える。チームの生え抜きでは最年長だ。毎日試合に出て、パフォーマンスを継続することが難しくなってもおかしくない年齢。しかし、常識に逆らうかのようにプロ初の全試合出場へ突き進んでいる。
「確かに普通に考えたら全部出るのは難しい年齢なのかもしれないですが、意外にも例年より体はしんどくないですね。局部的にどこかが痛かったり、膝をかばって肉離れしたりが多かったのですが、今年はそういう感じもなくいい状態で来られています」
荻野のプロ生活を振り返ると、怪我と付き合った時期も長い。ただ、入団10年目の2019年には自己最多の125試合に出場し、初めて規定打席に到達。初のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞にも選ばれた。そして今年の活躍と、近年は故障に強くなった印象を持たせる。
一体何が変わったのか。率直な疑問を尋ねると「本当に日々のケアだと思います」と答えつつ「後はやっぱり、スピードがちょっと落ちてきたというのは自分でも感じていて、(体の)負担は若干減っているかもしれないですね」と明かしてくれた。