東京五輪の各競技に見たリーダーシップ ラグビー廣瀬俊朗「吉田麻也選手が強く印象に」
大野将平、伊藤美誠、寺田明日香…心を揺さぶられた全参加選手の姿
僕自身、今回のオリンピックでは様々なことを感じ、考えました。金メダルは当たり前という重圧の中で戦う柔道では、大野将平選手のすごさが光っていました。金メダルを求めながらも、最後は自分の柔道をやりきる。外的な要因ではなく、内側にある自分の柔道にチャレンジする。ああいう姿勢は大事なんだと改めて学びました。
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卓球の伊藤美誠選手は、水谷隼選手と混合ダブルスで金メダル。その後に出場したシングルスでは準決勝で負けてしまいましたが、3位決定戦に勝って銅メダルを獲得しました。銅メダル決定後のインタビューで涙を見せたほど、準決勝での敗戦が悔しく堪えたにもかかわらず、短時間でしっかり気持ちを切り替えての勝利。あのすごさにも感動しました。
陸上から一時ラグビーに転向し、再び陸上の世界に戻った女子100メートル障害の寺田明日香選手も応援していました。残念ながら決勝進出は叶いませんでしたが、準決勝の後に見せたやりきった表情が良かったですね。いろいろな感情がこみ上げてきたでしょうが、挑戦の過程はとても素敵な話だったと思います。ラグビーを経験したことで、陸上での記録が伸びた。これもまた多様性の一例かもしれません。
たとえ結果が出なくても、選手の皆さんがオリンピックに向けて一生懸命準備してきたことが素晴らしい。並大抵のことではオリンピックには出場できません。コロナ禍もあり、環境が整わない中で準備してきた選手もいると思います。その中でベストを尽くしたことは誇らしいことであり、皆さんのプレーを見ているだけで心が揺さぶられました。