なぜ、平野歩夢は「安全に勝つ」を選ばないのか 恩人が明かす“天才の美学”とは
平昌五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢(木下グループ)。ショーン・ホワイト(米国)と五輪史に残る名勝負を繰り広げ、世界中から注目を集めた19歳を、7歳からサポートしているのがスポーツブランド「オークリー」だ。平野のことをよく知る、同社スポーツマーケティングアドバイザーの田中全亮氏が、カリスマスノーボーダーがかつて明かした“壮大な野望”を教えてくれた。
「決勝もスコア出すだけならもっと上目指せた」―オークリー田中全亮氏が見た“壮大な野望”
平昌五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢(木下グループ)。ショーン・ホワイト(米国)と五輪史に残る名勝負を繰り広げ、世界中から注目を集めた19歳を、7歳からサポートしているのがスポーツブランド「オークリー」だ。平野のことをよく知る、同社スポーツマーケティングアドバイザーの田中全亮氏が、カリスマスノーボーダーがかつて明かした“壮大な野望”を教えてくれた。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
五輪史上初の連続4回転を成功させるなど、圧巻の滑りを見せつけた平野。金メダルには届かなかったが、そのパフォーマンスには今なお、賛辞が続いている。8歳から10年以上、平野のそばについてサポートし続け、現地で観戦した田中氏も「4年間よく頑張って、ここまで来たと思う」と胸をなで下ろした。
平昌に入ってからも、平野は常に平常心だった。「歩夢はずっと小さい頃から知っているので、見ていれば、今のテンションもわかる。なるべくはいつも通りに接する。向こうは普段通りなので、緊張しているのは俺のほうなんじゃないかと思いました(笑い)」。だからこそ、決勝も安心して見れていられた。
結果は2大会連続の銀メダル。だが、平野にとって、悔しいのは敗れたことではないという。「3本目、立てなかった悔しさのほうがでかいみたいです」と田中氏。スコアで負けたことよりも、さらに高いレベルを求めた最後の3本目に着地に失敗したことが、悔しかったのだという。それは、平野の性格にある。
「スノーボードに対してはすごくまじめ。こだわっている部分がオリジナルというか、自分にしかできないことを貫いているタイプですね。決勝のランも、スコアを出すだけならもっと上を目指せたなと。だけど、高回転をつなぐのは世界で自分にしかできない、それを貫いたのも歩夢のオリジナルだし、やれるだろうと思って練習してきているわけですから」